そこからは、製作してくれる職人を探す日々。チーズ作りに誇りとこだわりを持つイタリアの職人になんとか協力してもらいたいと、イタリア中のチーズ工房を訪ねたといいます。
その結果、北イタリアで140年以上の歴史を持つチーズ熟成会社「ルイジ・グッファンティ」社の社長が、137年間、湯浅町で醬油作りを行う「丸新本家 湯浅醬油」のもろみの味に感動し、製作を快諾。
奇しくも同時代に創業した日本とイタリアの食材が出合い、構想から6年以上を経て、「モロマッジョ」が完成しました。
「モロマッジョ」(100グラム 1800円)に使うもろみは「蔵匠 樽仕込み」の製作過程のもの。湯浅醬油の社長が厳選した食材のみを使い醸造する。まったりとした味噌のようなこくと、嚙むほどに増すチーズのうまみが癖になる逸品。写真上のように崩して食べると、香りがより豊かに広がります。和歌山県の地酒「黒牛」との相性が特にいいそう。
和歌山県産の食材と掛け合わせたチーズはほかにも。奥の皿にのるものから時計回りに、きんかんと梅酒などで漬けた「BUKO きんかん味噌漬け」、ニッキや南高梅の焼酎が香る「ブル・アッラ・カネッラ」、「赤山椒」を使った「パルミジャーノ燻製 赤山椒風味」、味噌のこくを感じる「コンテ 金山寺味噌和え」、醬油の香りの「カマンベール 燻製 湯浅しょうゆ風味」、上質な酒粕を使う「ラングル 酒粕仕上げ」、紀州備長炭の香りの「フルム・ダンベール サンドレ」「これからも和歌山県の名産で、世界から注目されるオリジナルチーズを作りたい」と話す宮本さん。今後の新作にも期待が高まります。
Information
コパン・ドゥ・フロマージュ
和歌山県紀の川市桃山町調月769-136
表示価格はすべて税抜きです。
「家庭画報」2019年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。