7歳の時に『美女と野獣』(劇団四季)のチップ役で舞台デビュー。その後、『ライオンキング』の同劇団公演の初代ヤングシンバ役も務めた海宝さんは、まさにディズニーミュージカルの申し子のようだ。――ミュージカルナンバーには、どういったものがあるのでしょう?
「10月の製作発表で歌唱披露した曲は、前時代的な服のセンスや考え方を改めて、そこから新しいものを作るんだという、イヴ・サンローランのアーティストとしてのプライドや自信を表現した曲でした。
ほかの曲も順次でき上がってきています。台本に描かれたイヴの内面とともに、パリの空気感を表現していけたらなと思っています」
――昨年は、5月に英国ロンドンのウエストエンドで幕を開けたTHE HIT OPERA SHOW『TRIOPERAS』(演出・総合監督/パメラ・タン・ニコルソン)で、海外デビューを果たした海宝さん。このオペラ『トゥーランドット』『カルメン』『マダム・バタフライ』のダイジェストショーで、海宝さんは3作品すべてに出演されたとか?
「そうなんです。とんとんと話が進んで、気がついたら楽譜が送られてきていて、よく見たら3作品とも出演部分があって、結構な分量を歌うことになっていて(笑)。
ちょうど日本でも仕事があったので、それと並行しながらタイトなスケジュールの中で準備することになって大変でした。でも、海外のお客さんの前でパフォーマンスができたことは、とてもいい経験になりました。
終演後、僕が出て来るのを楽屋口で待っていてくださった外国人の方もいて、よかったですと言ってくださったり、サイン求めてくださったり……それがとても嬉しくて」
――素晴らしいです。歌の力は国境を超えることを実感されたのですね。
「ロンドンのあと、音楽監督・指揮の森 亮平さん、ロンドン・ロイヤル・オペラハウス管弦楽団のコンサートマスター、ヴァスコ・ヴァシレフさんと一緒にポーランドに移動して、コンサートにも出演したんです。
ポーランドのバルチック・ネオポリス・オーケストラとの共演で、英語やポーランド語で何曲か歌ったんですが、そこでも改めて、言葉はよくわからなくても音楽で通じ合えるんだな、音楽ってすごいなと感じました。
後ろを向くと、オーケストラの方達と目が合って、そうやって交流しながら歌えるのも楽しかったですし、本当にありがたい経験をさせていただきました」
――それも、海宝さんが世界に通用する歌声と表現力を持っていればこそ。小さな頃から歌のレッスンを受けていたのですか?
「どこかで習っていたわけではなく、子役をやりながら、現場で学んでいった感じです。ただ、歌うことは小さい頃からずっと好きで、特に大好きなディズニーの曲はいつも歌っていました。21歳の頃に、とても相性のよいヴォイストレーナーに出会ってからは、定期的に声のメンテナンスに通っています」