本日は、中国料理の名シェフ・脇屋友詞氏が考案した「野菜床」を使った鶏ハムをご紹介しましょう。「野菜床」は、野菜のぬか床のようなもの。ここに肉や魚介、野菜を漬け込むと、驚くほど柔らかくしっとりし、風味もアップする魔法のような万能の漬け床なんです。
しかも、使う野菜はにんじんの皮やしいたけの軸、だしをとったあとの昆布など廃棄する部分を利用。このたっぷりの野菜くずを香味野菜や香辛料、フルーツ、塩と一緒にひと晩ねかせて作ります。にんにくがたっぷり入っているので腐りにくく、肉や魚を漬けた後はしみでた水分をペーパータオルで吸い取り、フードプロセッサーで細かくした野菜くずと塩(野菜くずの重量の10%)を足せば5回ほど使えます。日持ちの目安は2週間。ぬか床のように混ぜる必要はありません。
この野菜床を鶏もも肉に塗ってからじっくり蒸し上げれば、ジューシーで旨みが凝縮した鶏ハムのできあがりです。火が入りすぎないよう、蒸し上がったら氷水にとって急冷するのを忘れずに。まるで熟成させたハムのような味わいは、前菜やおつまみにぴったりです。そのまま食べるのはもちろん、わさびじょうゆやラー油をつけていただいてもおいしいですよ。『「Wakiya一笑美茶樓」脇屋友詞のおいしい理由。中華のきほん、完全レシピ』より。
【材料 作りやすい分量】
・鶏もも肉 1枚(250g)
・生赤唐辛子、サラダ菜 各適量
■野菜床(作りやすい分量)
・野菜などの廃棄する部分 [にんじんの皮 60g/しいたけの軸 20g/セロリの葉 40g/だしをとったあとの昆布 40g]
・にんにく、しょうが 各100g
・玉ねぎ 75g
・長ねぎの青い部分 50g
・りんご 1個
・オレンジ(ワックスのかかっていないもの) 1個
・生赤唐辛子 大3本
・花椒(中国山椒の粒) 小さじ2
・八角 2個
・塩 80g