人間だけでなく猫を照らすライトも用意した猫ファーストな現場
撮影は、できるだけ猫にストレスがかからないよう進められたとか。とはいえ、本作はフィクション。猫たちにもお芝居してもらわなければなりません。
「猫が我慢できる範囲があると思うんです。じっとしてってお願いしても、じっとしたがらない。1回、2回、3回(じっとさせようとするけど)、それ以上はしないとか、なぜ気に入らないのか、敷物を敷いたら居心地がいいんじゃないか、って考えたり。見えないところで踏み台を置いて猫が座りやすいようにするとか、猫ファーストですべてを考えていったような気がします」
一方、俳優陣に対しては、「名優揃いなので、僕みたいな初陣の監督がどうだこうだっていうのは、おこがましく感じるぐらいに皆さん役をしっかり作ってこられていて」という岩合さんが大切にしたのは、人も猫も立体的に撮ること。そのため、「キャストへの照明だけじゃなくて、猫への照明の当て方も計算してスタッフにお願いしました」。結果、猫用のライトが用意されたそうです。そんな中で、「猫が見せてくれるアドリブが多々あって。それを使うことによって、より自然に見えるんです。自然に見えることも、編集のときに気をつけて構成しました」。
「役者さんとうまくやって」と祈るように猫を見つめていたら、「猫しか見てない」と出演者にツッコまれ、現場に笑いが起きたことも。