【問題】
ワインの味は何で決まるのですか?
文/谷 宏美(ワインライター、J.S.A.認定ワインエキスパート)
星の数ほどあるワイン。けれどひとつとして同じものはありません。ワインの味わいを決定づける要素は大きく分けて3つ。「産地、品種、造り手」です。
古くからフランスやイタリア、スペイン、ドイツ、ギリシャのヨーロッパ諸国では、その固有のブドウ品種を栽培し、ワインを造ってきました。これらの産地は「旧世界」と呼ばれています。対して近代以降にワイン造りが始まったアメリカやオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカやチリ、アルゼンチンなどは「ニューワールド(新世界)」と呼ばれています。こうした産地の土壌や気候、風土をテロワールといい、ぶどうはテロワールを反映します。テロワールが違えば生育するブドウも違いますから、造られるワインも異なります。
品種とは原料となるブドウの種類のこと。赤ワインでは「カベルネ・ソーヴィニヨン」「ピノ・ノワール」「シラー」など、白ワインでは「シャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」「リースリング」などがよく知られたブドウ品種。それぞれ個性があるブドウを、単一品種で造ったり、複数の品種をブレンドして造る場合もあります。また、収穫年を意味するヴィンテージも重要な意味を持ちます。ワインの良し悪しは、ブドウの出来不出来に左右されるからです。
そしてワインを造るのは人。パワフルなものを造りたいのか、エレガントな表現をしたいのか、できるだけ人為的な介入を避けて自然な造りを目指すのか。どういうワインを造りたいかによって、栽培や醸造の方法が違ってきます。
風土を反映し、造り手の思いがボトルに込められた唯一無二のワイン。そう思って飲むと、さらにおいしく感じられるかもしれません。
【答え】産地、品種、造り手、の3つの要素で決まります。
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写真/PIXTA 協力/
奥山久美子(アカデミー・デュ・ヴァン 副校長)