【問題】
スーパーで買ってきたブドウを発酵させるとワインになる?
文/谷 宏美(ワインライター、J.S.A.認定ワインエキスパート)
ワインを造るには小粒で糖度が高く、酸がしっかりしているブドウ品種が適しています。いわゆるワイン用と呼ばれるブドウ品種は、生食用のブドウとは違う種類のもの。よく聞く「カベルネ・ソーヴィニヨン」も「シャルドネ」もスーパーマーケットや果物店では売られていません。
ワインとは、酵母の働きにより、生のブドウ果汁を発酵させたアルコール飲料のこと。この意味では、巨峰やシャインマスカットも、発酵させてアルコール分が発生すればワインになるといえます。ブドウの果皮には天然の酵母が付着しており、原理としては、ブドウを潰して放置すれば自然とアルコール発酵が始まります。しかしながら、発酵と腐敗は紙一重なので、技術を要します。
ワインのおいしさは、豊かな風味があり、産地の気候や土壌、つまりテロワールが反映されていてこそ。そのためには何より鮮度が大事です。ブドウ畑のそばにワイナリーがあるのはこのため。収穫された場所ですぐに仕込むのが基本的な造り方です。近所のお店で買った生食用ブドウを発酵させたものを、ワインと呼べるかどうかは……、お分かりですね。
また、日本では、アルコール分1%以上を含むお酒を造るには醸造免許が必要です。少量といえど勝手にワインを造ると違法行為となるので気をつけてください。
【答え】△ 「ワイン風飲料」にはなるでしょう。
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写真/PIXTA 協力/
奥山久美子(アカデミー・デュ・ヴァン 副校長)