「稲森さんは内に秘めたものを放出するエネルギーがすごい」と鈴木さん。稲森さんは鈴木さんを「二枚目の部分がすごく見えました」。地上波での放送は難しい社会派ドラマの制作に定評のあるWOWOWが、初めてラブコメディに挑戦! 直木賞作家・井上荒野さんによる『それを愛とまちがえるから』を原作に、結婚15年目を迎えて幸せな人生を送るも、実はセックスレス。そんな夫婦の行く末を笑いあり、涙ありで描きます。伽耶と匡として夫婦を演じた稲森いずみさんと鈴木浩介さんにお話を伺いました。
——本作のオファーがあったときの気持ちを教えてください。
稲森いずみさん(以下、敬称略):心がワクワクしました。久々のコメディだったし、ご一緒したいと思う役者さんばかりで。(宮本理江子)監督との再会もとてもうれしかったです。『ビーチボーイズ』以来だったので。
鈴木浩介さん(以下、敬称略):台本を初めて読ませていただいたときに、会話にテンポがあるなと。だから、台本のセリフ通りに言っていけば、すごく面白くなるんだろうなと思ったのが最初の印象です。ただ、掛け合いの分量がすごいので、演じるのは大変だろうな、きっちりしっかりそれぞれセリフを入れて、息を合わせていかないとなかなかできるものではないなという印象もありましたね。
——実際に現場に入ってみて、大変そうだという印象は覆されましたか?
稲森:いい緊張感はありましたよね。
鈴木:ありましたね〜。
稲森:何ページもあるシーンをカットを割らずに長回しで撮るっていう、ライブ的な感覚でやっていたから。スタートの声がかかる前に、久々に心臓が鳴りました。でも、ラブコメはやっぱりやっていて楽しいです。撮ってる間に笑いを我慢するっていうのも久しぶりだな〜って。
鈴木:真剣に、お互いがムキになってやった結果、滑稽に見えたり悲しく見えたり笑えたりするんだろうなと思ってやってたんですけどね。演じるときは、とにかくホントの気持ちを伝えていくというか。それをお互いに積み重ねていけばいいのかなと思っていました。