【美の習慣3】産婦人科医・臨床心理士の吉野一枝先生に、更年期を乗り切る方法を伺います。3回目の今回は、さらにまだまだ知られていない更年期症状の謎に、Q&A形式で答えてくれました。
前回(第2回)の記事はこちら>>> 吉野一枝先生に聞く、更年期の嘘?ホント?
1回目、2回目のインタビューで、更年期症状の原因と対策が見えてきましたが、それでも謎の多い“更年期症状”について、さらに吉野先生に解き明かしてもらいました。
Qどのくらい症状が現れたら婦人科の扉を叩くべき?
「些細な症状でも、体調や心の状態に何か異変を感じたら、予防も含めて婦人科を訪れてほしいと思います。本当は女性なら、初潮を迎えた時から婦人科のパートナードクターを持つべきですが、更年期が近づいてからでも遅くはありません。体質や生理周期などがわかっていれば、その方の変化に気づくことができますから」。
ただし、どの病院でもいいわけではない、と吉野先生。「実は日本の婦人科は、更年期症状に対する取り組みが遅れているところがほとんど。そんな病院に行って、嫌な思いをしたことがある人もいるかもしれません」。
更年期に強い婦人科を探すにはどうすればよいでしょうか?「まず、日本産科婦人科学会のウェブサイトに“女性のヘルスケアアドバイザー養成プログラム”の修了者一覧があるので、ここから探すのもいいでしょう(※2019年9月より、日本女性医学学会の女性ヘルスケア研修会に移行予定)。ここで近くの病院がなければ、地元のクリニックのサイトをチェックしてみてください。“更年期外来”という表現は、使用できないのですが、文章の内容から、更年期ケアに対して積極的かどうかは読み取れると思います。口コミ情報を入手するというのもひとつの方法です。ただし、先生との相性は人それぞれなので、口コミは参考程度と考えるのがいいと思います。いずれにしても、信頼できる病院に巡り合うまで根気よく探してください」
Q大豆製品を食べても女性ホルモンは増えないのですか?
「残念ながら大豆製品を食べても女性ホルモンは増えません。女性にとって大豆イソフラボンが大事だと言われてきましたが、近年、イソフラボンが腸内細菌によって代謝されて“エクオール”になることで、より女性ホルモンに似た働きをするということがわかってきました。けれど、そのエクオール産生能があるのは日本人の半数。産生能がある人も、腸内環境の状態次第で、作れなくなることもあります。また、エクオールは身体に溜めておくことができないので、女性ホルモンに似た作用を期待するなら、エクオールを作れる人でも毎日納豆1パック程度の大豆製品を食べなくてはなりません。エクオール産生能のない人もある人も、ベースサプリメントとして“エクオール”を毎日摂取するのが確実です」