野菜の達人・佐藤夢之介シェフによる「くたくたブロッコリーとからすみのスパゲティーニ」は、ワインなどお酒と一緒に楽しみたいパスタです。旬のブロッコリーはクタクタになるまでソースで煮込むと、ブロッコリーのだしが出てパスタによく絡みます。チーズを使わなくても、カラスミで濃厚な味に。ご存じのとおり、カラスミのことをイタリアではボッタルガといい、サルデニアのものが良品が多くおすすめです。日本で作られているカラスミは、日本酒のアテにすることを想定しているためか柔らかいものが多いようですので、このレシピに使う場合は冷蔵庫に数日入れて乾かすといいでしょう。お酒と共にゆったりと夕食を楽しみたい週末の夜にぴったりの一皿です。『旬の野菜でシンプル・イタリアン』より。
【材料 2人分】
・アサリだし 180cc(2人分=アサリ200g+水200cc+昆布5cm角1枚)
・ブロッコリー 100~150g
・カラスミ(ボッタルガ) 15~20g
・スパゲティーニ 160g
・
ニンニクオイル 大さじ1
・鷹の爪 1本(輪切り)
【作り方】
1:アサリだしを作る。アサリは3%の塩水に浸けて暗いところに1時間以上置き、砂を吐かせておく。
2:アサリをよく洗い、水、昆布と共に火にかけ、沸く直前に昆布を取り出し、灰汁を取り、そのまま弱火で1時間くらい煮出し、静かに濾す。
3:2を180ccくらいになるまで煮詰め、味が薄ければ塩で調整する。
4:ブロッコリーは花蕾(からい)を1cm程度の小さい房に切り分けておく。
5:ブロッコリーの茎は皮をむき、1cm角に切りスパゲティーニと一緒に茹でる( 茎の茹で時間は4分以上)。
6:フライパンにニンニクオイル、鷹の爪、3のアサリだしを入れ火にかけ、沸いたら4の花蕾を入れ、くたくたになるまで煮込み、よくかき混ぜ乳化させておく。
7:パスタが茹で上がったら、一緒に茹でたブロッコリーの茎と共に6のソースと絡めてお皿に盛り、最後にカラスミをおろし器で削って振りかける(だしをとったアサリはそのままパスタと和えてもよい)。
著者は東京・小石川のイタリアンレストラン「シンプル リトル クッチーナ」オーナーシェフ。料理は野菜が中心で、肉、卵、チーズ以外の乳製品を使いません。しかし肉好きが敬遠する「健康そうだけど物足りない料理」ではなく、肉好きをも満足させる充実した美味しさが特徴です。秘密は昆布だしをはじめとするだしの使い方にあります。かといって和風イタリアンではなく、「佐藤夢之介のイタリアン」としかいえない料理なのです。四季のレシピをお楽しみください。
佐藤夢之助(著)
定価:本体1,500円+税
撮影/西山 航