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川嶋朗先生に聞く、生涯の健康の鍵「冷えない体」のつくり方

2019.02.22

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体を冷やす本当の理由は 寿命が延びたから!?


若年層にも冷えが多くみられることから、世代を超えた女性たちの冷えと低体温について述べてきましたが、加齢に伴い代謝が徐々に低下していく更年期以降のかたの冷えについて、少々詳しく解説しましょう。

更年期の冷えは女性ホルモンの減少から自律神経のバランスが崩れ、交感神経優位に陥ることからも起こります。

手足や指先の血流が滞り、手や足先の冷えがなかなか改善されません。発汗の働きにも支障が起き、大量の汗をかいたあとに、冷えが助長されます。


顔や頭はのぼせて下半身は冷えているという状態も、自律神経の失調症状の1つなのです。

考えてみれば戦後まもなくの頃、戦争の犠牲者が多かったからかもしれませんが、日本人の平均寿命は60歳に届きませんでした。

女性の場合は出産数が多く、子どもの数は5~6人が普通。当然生理の回数は少なく、閉経までに生理は50回ほどが一般的でした。今は人生100年の時代、しかも少子化が進み、生理も400回以上になるでしょう。

50代以降は、更年期症状に追い打ちをかけられると同時に周囲のストレス要因も増えてきます。職場では責任のある仕事を任され、家庭では両親や舅姑の介護問題が重くのしかかってくる世代です。体の機能も若いときよりは衰えて、疲れの回復にも時間がかかるようになります。

臨機応変に対応できればいいけれど、真面目ですべてを一身に背負うタイプのかたは、冷えのほかにもさまざまな症状に悩まされます。

そう考えると、長寿が冷えを呼んでいるといっても過言ではありません。そろそろ人生100年をどう生きるかを考えるとき、元気で長生きすること自体が目的ではないはずです。

「社会貢献を!」などと大上段に構えなくても「年に1度、気の置けない友人たちと海外旅行を」でもいいでしょう。

達成可能な目標を立て、その実現のために冷えに負けない体をつくる、そんな意識のもとに、代謝がよくなり筋力がアップする、軽い筋トレを加えたエクササイズなどを続けてみてはいかがでしょう。(2)に続く>>
取材・文/宇津木理恵子 撮影/八田政玄

「家庭画報」2019年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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