フィギュアスケート

家庭画報3月号「髙橋大輔選手」特別取材記念! 長光歌子コーチのこぼれ話 その2

2019.02.19

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【連載】フィギュアスケート愛(eye)

フィギュアスケート愛(eye) 本誌『家庭画報』の「フィギュアスケート」特集を担当する、フリー編集者・ライターの小松庸子さんが独自の視点で取材の舞台裏や選手のトピックスなどを綴ります。バックナンバーを見る>>>

最強の応援団長、長光歌子コーチの存在


全日本選手権で髙橋大輔選手の演技を食い入るように、でもどこか幸せそうな表情を浮かべて見つめていた長光歌子コーチ。指導者であると同時に、一番にして最強の応援団長でもある長光先生ですが、髙橋選手が5年ぶりに出場した全日本選手権で準優勝を飾った後に語った「(大輔が)昌磨くんと刑事くんと表彰台に乗るなんて、考えてもいないことが現実になった!」(『家庭画報』3月号)という言葉からも、溢れんばかりの喜びが伝わってきました。

『家庭画報』1月号でもインタビューさせていただきましたが、今回は長光先生に伺った「髙橋選手の現役復帰に思うこと」から未公開部分をお届けいたします。一部、既出の内容もありますが、記念すべき復帰シーズンの記録として、書ききれなかったことと併せて分かち合えればと思います。



関西大学のアイスリンクにて。リンクにいるだけで楽しそうな空気が伝わってくる、長光先生と髙橋選手。撮影/平岩 享

あの辛かった時期があるから、第2現役期という奇跡の時間がある


ーー長光先生にとって待ちに待たれた現役復帰だったと思いますが、初めてお聞きになった時に感じられたのはどのような想いでしたか?

本当に、何がどうつながるかはわからないと思いながら、聞いていました。もし、大輔(髙橋大輔選手)が満足しきって4年前にやめていたら、そのあとのダンスショー(『LOVE ON THE FLOOR』以下、LOTF)や舞台(『氷艶 2017 破沙羅』以下、氷艶)もやっていたかどうか。もしかしたら、大いなる力を発揮するためには枯渇感って必要なのかもしれません。精神的にはかなりきついですが(苦笑)。

ーー夏の北海道合宿で髙橋選手が肉離れを起こしてしまい、アイスショーへの出演を取りやめられましたよね。

肉離れの前に、ぎっくり腰にもなっていて。体もよく動く、調子のいい時にやってしまったんです。肉離れも、前の現役の時だったら起こりえない状況でした。こちらもほっぺたを叩かれた気分になりましたね。4年間のブランクは長いし、32歳になって、我々にとっても未知の領域なんです。参考モデルがないですし、これは現役の時の経験に頼っていてはダメなんだ、すべて新しいことを積み上げていく感覚でなければ、ということを改めて痛感した出来事でした。
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