「福岡三越」新設の博多織コーナーでは、初心者さんにオススメの博多織コーデを伺いました
「OKANO」を後にして、次は博多織コーナーが新設された「福岡三越」の呉服フロアへ。ここでは随時(一社)伝統文化デジタル協議会(以下、「協議会」)の方がお客様の相談に応じてくださるとのこと。これはとても心強いです!
「福岡三越」呉服売り場では、豊富なラインナップの博多織が見られるようになりました。また、同様に日本橋三越にも新設されました。A子「きもの初心者の私たちにおすすめの博多織コーディネートをしていただけませんか?」
早速、協議会の角彰浩さんにお願いしました。
角さん「そうですね。地紋に献上柄の入った縦縞の紬はいかがでしょう。紬ですが、地紋の献上柄は上品な光沢があり、着姿もスッキリと見せてくれるので人気がありますよ」
角さんオススメの一枚。一見、縦縞に見えますが、よく見るとこんなにも細かな献上柄が地紋に入っています。角さんは博多織の歴史から最新トレンドまで知り尽くすエキスパート。私たちの質問にどんどん答えてくださいました。角さん「そしてこれからの季節でしたら、献上柄の紬を単衣でお仕立てし、こちらの帯を合わせるコーディネートもおすすめです」
引き出しから、目にも涼やかな帯を出してきものと合わせてくださいました。なんて素敵な単衣の装いなのでしょう。
角さん「お太鼓と腹前には手染めした和紙が織り込まれているのでとても表情豊かなんですよ」
きもの「博多経糸紬」32万円、八寸名古屋帯36万円(ともに税別、お仕立て別)え、和紙!? 紙ですよ! 紙なので切れないよう織るには相当な技術が求められますが、和紙を入れることで独特の風合いが生まれるそうです。
経(たて)糸には3割ほど、そして緯(よこ)糸には風合いのある手染めの和紙が織り込まれています。近くで見ると和紙が放つ表情をはっきりと確認することができました。角さん「シンプルで素材感を楽しむコーディネートは、帯揚げや帯締めが選びやすいので初心者の方にもおすすめです」
献上柄に込められた祈りに気づいた1 日目。2日目はいよいよ織元の工房へ!
こうして無事、1日目の取材が終了しました。私にとっては「カッコいい」だった献上柄。歴史を通して柄に込められた厄除けやご先祖への供養の想い、繁栄などの祈りを知ることができました。そして博多織といえばすぐに思い浮かんでいた伊達締めや半幅帯がほとんど目に入らないほど、様々な品に出会いました。
Hさん「今日一日、お疲れ様でした。明日は織元さんを巡りましょう」
E子・A子「よろしくお願いします!」
2日目は、実際に織っている現場に潜入します。(
次回に続く!>>)
〔SHOP DATA〕
「博多町家(はかたまちや)」ふるさと館福岡県福岡市博多区冷泉町6-10(櫛田神社 正門鳥居前)
TEL:092-281-7761
http://www.hakatamachiya.com開館時間:10時~18時(入館は17時30分まで)※7月、8月は9時(みやげ処は10時)~
休館日:第4月曜日(祝休日の場合は翌平日)※みやげ処は営業
入館料:展示棟のみ 200円(一般)
はかた伝統工芸館
福岡県福岡市博多区上川端町6−1(櫛田神社横)
TEL:092-409-5450
http://hakata-dentou-kougeikan.jp開館時間:10時~18時(入館は17時30分まで)
休館日:水曜(祝日の場合は翌日)12/29~31
入館料:無料
OKANO
福岡県福岡市博多区下川端町3-1博多リバレインモールB1F
TEL:092-283-8111
営業時間:10時30分~19時30分
http://okano1897.jp福岡三越福岡県福岡市中央区天神2-1-1
TEL:092-724-3111
営業時間:10時~20時
https://www.iwataya-mitsukoshi.mistore.jp/mitsukoshi.html 新人きものライターE子&A子の 「イチから始めるきもの道」
撮影/Michika Mochizuki(Lorimer) 構成・文/笹本絵里 中島敦子 ※この連載で取り上げて欲しい、皆さんの「いまさら聞けない」きものの基本&疑問をぜひ お聞かせください! 件名「イチから始めるきもの道」と明記し、メールにてお寄せください。 E-mail:k-salon@sekaibunka.co.jp