「疲れやけがを癒やす目的もあるから、お湯のよさを第一に温泉地を選びます」――前田美波里さん
【ラドンを鼻と口から取り込む吸入浴が最も効果あり】
温泉や庭園からラドンが立ち上る広縁で温泉水を飲みながらくつろぐ美波里さん。飲泉と吸入浴のダブル効果で元気を取り戻す。 カーディガン6万2000円 Tシャツ2万9000円 パンツ4万3000円/すべてリビアナ・コンティ(アノア)微量の放射線が自然治癒力を刺激し、細胞を活性化させる
舞台を中心に活躍する女優の前田美波里さんは自他ともに認める大の温泉好き。
「舞台での疲れやけがを癒やす目的もあるから、私はお湯のよさを第一に温泉地を選びます」という美波里さんが今回訪れたのは開湯700年の歴史を持つ村杉温泉。全国でも最高水準のラジウム含有量を誇る名湯です。
この温泉がラジウム泉(放射能泉)であることが発見されたのは大正初期のこと。“村杉では医者が育たない”といわれるほど、高い効能が認められていたものの、なぜ効くのかは不明でした。
大正3年、新潟医学専門学校(現・新潟大学医学部)の中山 蘭教授が温泉中に溶け込んでいるラドン(地中のウランは固体のラジウムに変化し、さらに気体のラドンになる)の量を測定し、1キロ中49~65マッヘ(濃度の単位)のラドンが含まれていることを突き止めたのです。
ラドンが1キロ中8.25マッヘ以上あれば療養泉として認められ、50マッヘ以上あれば放射能泉と名乗れますが、当時の村杉温泉の含有量はそれを上回り、世界一であることも判明しました。
村杉温泉は特に婦人病に効能があると重宝されました。一方、ラジウム泉の医学的作用として期待されるのが「ホルミシス効果」です。これは微量の放射線が自然治癒力を刺激し、細胞を活性化させ健康な状態をもたらすというもの。
この効果を存分に得るには入浴のほか飲泉もよく、さらに呼吸から取り入れる吸入浴が最も効力があるとされています。
村杉温泉にある長生館の庭園大露天風呂は越後随一の広さ。手足を伸ばし、開放感のある大浴場に浸かるのは贅沢湯治の醍醐味。