わたりがにという食材は、あまり家庭で食す機会はないかもしれませんが、パスタなら簡単に作れますよ。このトマトソースは、かにの味と香りをストレートに味わいたいときにおすすめ。かにの香りと調和するコニャックで風味をいっそう引き立たせます。かには強火で焼きつけて殻の香りを立たせてください。甲殻類にはにんにくの香りがとてもよく合うので、ピュアオリーブ油はあらかじめにんにくを漬けて香りを移したものを使うとよいでしょう。わたりがには、殻つきの生がになら何でも代用することができます。たらばがにを使う場合は、パスタとあえる直前にバター少量をたしてください。見た目も味もお店のような一皿、おもてなし料理としても喜ばれると思います。「アガペ カーザマナカ」真中シェフの『PASTA』より。
【材料 2人分】
・パスタ(スパゲッティーニ) 140g
・わたりがに(殻つき) 1ぱい(140g)
・ホールトマト(缶詰) 80g
・トマト 正味80g(約1/2個)
・にんにく 1かけ(6g)
・赤唐辛子 1/2本
・白ワイン、コニャック 各大さじ1
・イタリアンパセリの葉 少量
・ピュアオリーブ油 適量
・エクストラヴァージンオリーブ油 大さじ1
・塩 小さじ1/3
・パスタをゆでるときの塩 湯の重量の1%
・パスタのゆで汁 約120cc
【作り方】
1:わたりがには食べやすく切る。ホールトマトは種を除き、汁と合わせる。トマトは皮を湯むきし、種を除いてざく切りにする。にんにくはみじん切りにする。赤唐辛子は中の種を除く。イタリアンパセリの葉は粗く刻む。パスタをゆでるたっぷりの湯をわかす。盛り皿は使う前に温める。
2:フライパンを強火にかけて十分に熱し、ピュアオリーブ油小さじ2を入れる。かにを加え、フライパンをゆすりながら強火で焼きつける。
3:2のフライパンをいったん火からはずして温度を下げる。ピュアオリーブ油小さじ2、にんにく、赤唐辛子を加え、弱火で炒める。
4:パスタをゆで始める。3のにんにくが淡く色づいたら白ワイン、コニャックを加え、強火でアルコール分をとばす。パスタのゆで汁70ccを加えて3~4分ぐつぐつと煮る。ホールトマトとトマトを加え、ひと煮立ちしたら火をとめて、パスタのゆで上がりを待つ。
5:パスタのゆで上がりに合わせて4に火をつけ、パスタを加え混ぜる。ゆで汁50cc、塩、エクストラヴァージンオリーブ油を加えて「ぐるぐる混ぜ」してソースを乳化させる。皿に盛ってイタリアンパセリをふる。
「アガペ カーザマナカ」真中シェフの『PASTA』は、基本のトマトソース、オイルソースからクリーム系、煮込みソース、ニョッキ、リゾットまで、パスタ料理全100レシピ収録の決定版。「ちょっとしたことだけど、とても大事」というプロのテクニックも余すところなく紹介しています。
真中陽宙(著)
定価:本体1,600円+税
撮影/白根正治