ニットにジーンズという装いで軽やかに登場するや、スタッフ一人一人の目を見つめながら、両手で包み込むように握手。最初の挨拶でいきなり私たちの心を鷲摑みにした竹内まりやさんは、いわずと知れた、ポップス界を代表するシンガー・ソングライターの1人です。
約30年ぶりの再会となった篠山紀信さんに「変わらないね!」と言わしめた竹内さん、「実は昔、篠山さんの奥さまの南 沙織さんと人違いされたこともあるんですよ!」。
和気藹々とした撮影後のインタビューでは、音楽について、人生について、明るく真摯に、惜しみなく語ってくれました。
「大切なのは、今を生きること。日常を面白がれることが幸せの秘訣です」
Valentino
日頃は柄ものをほとんど着ないという竹内さんも、このロングドレスはお気に入り。「まず紫という色が大好きなんです。それと、ふくらみがある袖など、60年代のヒッピーを思わせるデザインにノスタルジーを感じます」。フランス伝統のタペストリーに想を得たプリント地のドレスは、全体にプリーツ加工が施されています。
ドレス80万4000円/ヴァレンティノ(ヴァレンティノ インフォメーションデスク)昨年デビュー40周年を迎えた竹内まりやさん。
お祝いを述べると、「休み休み活動してきたので、40年というのもおこがましいんですが、このペースだからこそ、続けてこられたとも感じています。同業者のパートナーと理解あるスタッフのおかげです」という言葉が返ってきました。
1982年に同じミュージシャンの山下達郎さんと結婚して以降、数年に1枚のペースでアルバムを発表し、ライブはこの40年でわずかに3回。確かに人気アーティストとしては異例ののんびりペースです。
そんな竹内さんも、デビューからの3年間は追い立てられるような毎日で、すっかり疲弊してしまい、休業を決意したのだそう。
「常にずっと先まで予定が詰まっているような日々を1度リセットしたかったのです。私の場合は休業中、時間を気にせずにデパ地下で買い物をするのが本当に楽しくて(笑)。
そんな気ままな時間を過ごす中で、もう一度音楽活動をしたいというエネルギーが湧いてきました」。