シンプル+上質=洗練。
依頼主の心に寄り添うフランス料理のコース
藤田さんはパリから帰国した当初は店を構えず、ラグジュアリーブランドから依頼を受けるごとに花を仕入れ、アレンジメントを制作していました。フラワーデコレーションのコンセプトは「シンプル+上質=洗練」。
「そのスタイルと考え方に、私自身の料理に対する考え方との共通点を感じます」と厚東さん。打ち合わせをもとにメニューを提案、依頼主の心に寄り添うよう意見を聞いて修正を加え、この日のためだけのオートクチュール・コースが生まれました。
手前はオマール海老の前菜。ずわい蟹の上にオマールをのせ、彩りの美しい春野菜を添え、オマールでとったソースといただく。奥はフランスの偉大な料理人、フェルナン・ポワン氏の代表的な料理を再構築したひらめのシャンパン蒸し。白アスパラガスのピュレ、平貝、マッシュルームの上にひらめをのせ、ゆり根、トリュフをのせる。前菜はブルターニュ産のオマール・ブルー。藤田さんが花の個性を生かしてアレンジするのと同じく、厚東さんは野菜本来が持つ個性、形を生かし、美しいひと皿に仕立てました。
「ドン ペリニヨンP2 1998」は藤田さん所蔵。お嬢さまの生まれ年のボルドーの赤、ブルゴーニュの白ワインはシェフが用意。また今年成人式を迎えたお嬢さまのお祝いも兼ねた会ということで、魚料理には好物のひらめが使われました。サービスは厚東さんが信頼し、チームをよく組む「アフェクション」から派遣されたスタッフが担当。搬入からテーブルの準備、片づけまでスムーズに行ってくれます。
デセールは春らしく、いちご尽くしのひと皿。ムース、チュイル、ソースと姿を変えたいちごをフロマージュブランのソースとともに。「とてもきれいな料理に仕上げていただき、ゲストの皆さまにもご満足いただけました」と藤田さん。デセールの後は再びリビングに席を移し、愛らしいミニャルディーズとともに時間を忘れてくつろぎます。
食後のミニャルディーズも、この日のためだけのオリジナル。