個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート
ジュエリーは工業製品!?
第二次世界大戦後のジュエリー市場とは
こうしてやっとのことで、ジュエリーは女性たちのものとなりました。しかしながらこれは「買う」、「使う」に限った話であって、市場を動かしているのは、相変わらず男性です。そしてその市場は、第二次大戦後も戦禍を被らなかったアメリカを中心としてどんどん伸びて行きます。「ジュエリーの大衆化」は極まり、もはやジュエリーは特別な女性のためのものではなく、あらゆる女性が求め、使うものとなりました。
しかし大衆化に伴って新たな問題も起きてきました。ジュエリーの【工業製品化】です。ジュエリーは職人の作品ではなく工業製品という考え。仕様書を基にして(品質はさておき)大量のジュエリーを作り、それを大量の広告と広報活動でとにかく売る、という商売です。
これは、「美しいものを身にまといたいという気持ち」から生まれ、初めはオーダーメイドしかなかったジュエリー本来の姿とは、根本から異なりますね。
この流れの先頭を切ったのは、先に述べたようにアメリカですが、しかし実は日本の市場も、こうした工業製品的な売り方に盛大に賛同し、積極的にジュエリーの大衆化を推し進めました。見方によってはアメリカ以上に貢献したともいえるでしょう。あまり知られていない事実ですがね。