『観自在-あたらしい遊を愉しむ-三輪和彦個展』
3月14日~24日 かづらせい 寺町店
もう一つのイベントは萩焼とアンティークのコラボレーション企画です。
会場となる「かづらせい 寺町店」は、慶応元年(1865)創業の頭飾品を扱う「かづら清老舗」が営むアンティークショップ。
京都御所に近い、さまざまな老舗が軒を連ねる寺町通にあり、コンクリート打ちっぱなしのモダンな佇まいが迎えてくれます。 洋の東西を問わず集められたアンティークコレクションは、中国・清朝時代の家具やアジア各国の小物、ヨーロッパの美術工芸品と幅広く、どれも手に取ってみたくなるものばかりです。
6代当主・霜降太介さんによれば、「独自の視点と感性で、趣のある、美しくユニークな、愛すべきものをセレクトしています」とのこと。
萩焼・三輪和彦×アンティークの組み合わせの妙今回は、萩の陶芸家・三輪和彦氏とのコラボレーションにより、それらのコレクションとの独自のコーディネートが提案されます。三輪氏は、長州藩御用の「三輪窯」を継承し、伝統ある萩焼に斬新な感性を取り入れた作風が高く評価される、世界でも注目を集める陶芸家です。
展覧会では、三輪氏の茶陶をはじめ、食器、花入れなどの作品を、かづら清のアンティークと共に展示することで、“用の美”に触れると同時に、古今の調和が楽しめる仕立てになっています。
京都に磨かれた新しい遊、美意識さらに、開催中は、京都の老舗花司「花政」の当代・藤田修作氏が出向いていけた花が、空間やウインドーを飾るとのこと。
無機質なコンクリート空間に、木の温もり、茶湯、アンティーク、花を取り合わせた上質なコーディネートが、さまざまな世界を体感させてくれそうです。
一年を通して、イベントの多い京都ですが、本展は、多様な美意識を育んできたこの地ならではの展覧会といえるでしょう。 新しい美、“あたらしい遊”の世界を、自分なりの感性で楽しんでみてはいかがでしょう。
かづらせい 寺町店
京都府京都市中京区下御霊前町638-1
電話 075-253-2525
営業時間 10時30分~18時30分
水曜定休
https://www.kazurasei.co.jp/teramachi/ 西村晶子/Shoko Nishimura
京都の老舗から新店まで、食を取り巻く文化などを独自の目線で取材。20数年、『家庭画報』の京都企画を担当し、さまざまな記事を執筆。