伝統工芸

益子焼の蓋付き耐熱深皿

2017.02.10

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「こんな和食器があったらいいなと思っていました」と笑顔で語るのは、器を一緒に考案してくだった河合真理さん。 「オーブン料理は、忙しいおもてなしの場に重宝する料理。オーブンに使える和食器は、デザインや用途の点で制限があったのですが、この器があれば料理も演出も幅がぐんと広がります。今回は小ぶりの鯛をまるごと蒸し焼きにして、見た目も華やかに。食卓にそのまま出せるのも嬉しいです。アスパラガスのような長い野菜をそのまま入れても楽しいですし、アイディアが次々に浮かびます」。 益子焼らしい飴釉はあたたかみがあり、和食器にも洋食器にも組み合わせやすい佇まいです。

一緒に考えてくださったかた




河合真理(かわい・まり)さん
料理研究家であった祖母の阿部なを氏による指導と、ニューヨーク生活で培った経験をもとに、モダンな家庭料理を提案。食材の持ち味を生かした創意工夫に富んだセンスある料理に定評がある。
和に洋に…。食卓を豊かにする益子焼の“用の美”

なだらかな丘陵に囲まれ、今なお日本の里山の風情を感じさせる益子の地で、今日につながる窯業が興ったのは江戸時代末期のこと。すでに盛んであった笠間焼の技術が伝播し、焼物に適した陶土が発見されたことにより、土瓶や壺、徳利といった日用の器の産地として出発しました。


たけのこに、山椒と豆腐をすったソースをかけて、和風グラタンに。

のちに、民藝運動の推進者である濱田庄司が移住し、作陶を始めることによって益子に転機が訪れます。彼の運動を通して再注目されるようになり、外からも作陶者が集まり、互いに切磋琢磨する陶芸の町へと成長したのです。

「益子焼で何よりも大切なのは益子の土。粒子が荒く厚手のでき上がりになりますが、手にすんなりとなじむ、あたたかみのある素朴さが益子焼らしさです。伝統を礎に、和洋の器が混在する現代の食卓にも合う自分らしい器のあり方を追求しています」と意気込む、今回の器を製作してくださった大塚雅淑さん。


釉薬の種類が多いのが益子焼の特色。大塚さんは先代が独自に作った釉薬を継いで自分らしい使い方を模索する。 撮影/阿部 浩


大塚さんが製作した器の数々。形状から釉薬まで多様な広がりを持ちながら食卓をあたたかく見せてくれるのが益子焼の魅力。 撮影/阿部 浩

二代目として窯を守る大塚さんは益子焼の次代を担う一人として、土の配合から釉薬の使い方まで日夜試行錯誤を重ねています。
今回ご協力いただいたかた



大塚雅淑さん
1976年益子町に生まれる。伝統工芸士である父・大塚健一氏に師事。2014年に伝統工芸士に認定される。
栃木県芳賀郡益子町益子697-2
TEL:0285(72)5359

撮影/阿部 浩

家庭画報×益子焼 蓋付き耐熱深皿のご購入方法

「蓋付き耐熱深皿」長径約28センチ、2万3000円(税、送料別)。

 



 

購入をご希望のかたは、大塚雅淑さんに直接ご注文ください。ご注文は、FAXにてお願いいたします。

 

FAX:0285-72-5359

 

※ご注文が確定してから製作するため、商品のお届けにはお時間がかかります。また、一つ一つ手作りのため、仕上がりが写真とは少々異なる場合があります。技法上、蓋と器の大きさには若干の誤差があります。
『家庭画報』2017年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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