香川県琴平町には、江戸時代に建てられた現存する国内最古の歌舞伎小屋「旧金毘羅大芝居(金丸座)」があり、毎年開催される春の興行「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の際は、全国から多くの歌舞伎ファンで賑わいます。
高松市内のなかでも、ひときわ風情のある佇まいを見せる「料亭 二蝶」の門構えと山本さんご夫妻。高松市で70年以上の歴史を持つ「料亭 二蝶」の3代目、山本亘さんと女将の容子さんご夫妻も、この大芝居の大ファン。
京都で学んだというだし巻き卵は「讃岐コーチン」を使用。ふっくらと甘みのある京風仕上げ。ほかにも、歌舞伎小屋のある琴平町の名産のたけのこ、一寸豆、豆ご飯が春の彩りを添える。毎年観に行くうちに、「歌舞伎の気分をより高揚させるような弁当を作りたい」と思うようになり、「かぶきもの弁当」が生まれました。
幕間にさっと食べられ、お芝居に負けず劣らず印象に残る弁当の考案にかかった歳月は10年。
1835年に建てられた旧金毘羅大芝居(金丸座)の桟敷席。公演開催時以外も見学ができる(大人500円)。広くはない桟敷席でもゆとりが持てるようにと、15センチ角ほどの小さな木箱には23品目も入り、歌舞伎の演目とコラボレーションしたあらゆる“仕掛け”が観劇の気分を高めます。
今年の演目にちなんだ掛け紙と、2匹の蝶が舞う姿が愛らしい「二蝶」オリジナルの手ぬぐい。家庭画報読者が弁当(3000円)を購入すると、特別にこの手ぬぐいをプレゼント。たとえば今年は、『義経千本桜』にちなみ、掛け紙にはすし桶を持った役者の姿が描かれ、蓋を開けると、穴子棒ずしや鯛桜葉ずしが眼福を誘い、食べる前から心が躍ります。