フィギュアスケート愛(eye) 本誌『家庭画報』の「フィギュアスケート」特集を担当する、フリー編集者・ライターの小松庸子さんが独自の視点で取材の舞台裏や選手のトピックスなどを綴ります。
バックナンバーを見る>>> 2月25日の記者会見で、早くも息の合った様子を見せてくれた演出の宮本亜門さん(真ん中)、主演の髙橋大輔選手、左から柚希礼音さん、荒川静香さん、福士誠治さん(右)。銀盤から和の世界を発信する、奇跡のアイスショーが再び
皆さま、すでにご存じですよね。 髙橋大輔選手主演のアイスショー『氷艶』が再び帰ってくることを。
2017年夏に催された『氷艶hyoen 2017ー破沙羅ー』は、フィギュアスケートと歌舞伎の融合という、いまだかつてない試みと、壮大なスケールの物語性で衝撃的な作品でした。(
2017年5月24日配信の「フィギュアスケート愛eye」ご参照ください)
女神が生み出す夢物語という設定のもと、市川染五郎丈(現、松本幸四郎丈)が演出と悪役を担当、髙橋大輔さんが源 義経、荒川静香さんが女神と悪役の二役を演じた物語は、見たことのない極上の氷上エンターテインメントであり、はたまた新作歌舞伎のようでもあり。
まさに、それぞれの世界の新たな扉が開いた瞬間でもありました。
2017年に開催され、大好評だった『氷艶〜破沙羅』。世界に通用する氷上エンターテインメントの可能性を秘めた奇跡のアイスショーに、また出会えるとは。今から楽しみですね。その第2弾に、こんなに早く、そしてまさか髙橋選手が現役中のいま、出会うことができるとは!
横浜アリーナにて、19年7月26日〜28日の毎日2公演ずつ、計6公演が行われる予定の「氷艶hyoen2019―月光かりの如く―」(以下、氷艶2019)は『源氏物語』がモチーフ。
演出を宮本亜門さんが手がけ、主演の髙橋選手が光源氏、ステファン・ランビエルさんが光源氏の異母兄弟である朱雀君、荒川さんがその母親である弘徽殿女御(こきでんのにょうご)、宝塚のトップスターとして圧倒的な人気を誇った柚希礼音さんが男性として育てられた女性・松浦、そして光源氏の親友・頭中将には俳優の福士誠治さんが扮することが発表されました。
テーマ曲はB’zの松本孝弘さんが担当し、前作にも出演していた鈴木明子さん、織田信成さん、村上佳菜子さんも再び登場。
そのほか、平原綾香さん、西岡徳馬さんといった豪華な顔ぶれに期待が高まります。
さらに、嬉しいのは久しぶりにユリア・リプニツカヤさんの姿が見られること!
卓越した柔軟性が生み出すキャンドルスピンと、その繊細な表現力がとても魅力的なスケーターだったので、摂食障害に苦しみ、引退の道を選ばざるを得なかった彼女の心境を思い、案じていました。
『氷艶2019』で髙橋選手とステファン、ユリアの共演が見られるなんて、夢のようです。
記者会見に登場された豪華出演陣のほか、ステファン・ランビエルさん、ユリア・リプニツカヤさんの出演も発表されました。どんな衣装で登場してくれるのでしょう。和と洋の融合、期待しています!現役復帰を目指し、一から体を作り直したことで、結果的にアイスショーでも最高のパフォーマンスができる……。アイスショーでも試合でも充実したスケーティングを見られるに違いない、幸せな2019年度になりそうですね。