「僕を全部見てもらえるような個展にしたい」―香取慎吾
「いつかやりたいなと思っていた個展を、いきなりパリで開くことになったときも驚きましたけど、今回の日本初個展も、かなりびっくりな企画です」
そう話すのは、近年アーティストとしても活躍し、昨秋、「ジャポニスム2018」公式企画の一つとして、パリのルーヴル美術館・シャルル5世ホールで開催された個展『NAKAMA des ARTS』が大好評だった香取慎吾さん。
その国内初個展『サントリー オールフリー presents BOUM ! BOUM ! BOUM ! 香取慎吾NIPPON初個展』が、3月から東京・豊洲でスタートする。“BOUM”は、ドキドキという心臓の拍動を意味するフランス語だ。
「最初に企画を聞いたときは、僕も正直、全く意味がわかりませんでした。間違った方向にどんどんイメージが膨らんで、“フライングもできますか?”“いえ、舞台じゃないので”“じゃあ、歌は歌っていいんですか?”“いや、コンサートではなく、個展ですから”……そんなやりとりをしましたね(笑)」
というのも、この個展の会場は劇場。それも、オランダに次いで世界で2番目につくられた、ドーナツ状の舞台の真ん中にある客席が360度回転する劇場なのだ。
観客はまず席に座り(全席指定で各回の定員は350名)、客席をぐるりと囲むスクリーンに映し出される15分程度の映像作品を鑑賞。
前方のスクリーンが左右に開いたら、各自荷物を持ってステージ上へ移動し、そこに設けられた3つのエリアから成る展示スペースを自分で巡りながら、香取さんの作品を楽しむという趣向だ。
「子どもの頃から夢見ていた個展とはだいぶ違うけど(笑)、ステージに立ってきた僕にはぴったり」テーマもズバリ、“香取慎吾の身体性に起因するアート”だという。
「歌ったり、踊ったり、バラエティ番組に出たり、お芝居をしたり。自分を素材にいろいろなお仕事をさせてもらってきた僕がアートをするなら、僕自身をアートにしなきゃと思っていて。
大きな作品をつくるときはメイキング映像を撮ってもらって、ルーヴルでも作品の一部として展示しました。今回はさらに踏み込んで、僕を全部見てもらえるような個展にしたいと思っています」