「力や気持ちを抜くところをつくるようにしています」―香取慎吾
「歌やお芝居には、つくっていただいた詞や曲、台詞がありますよね。でも自分で絵を描くときは、紙も色も全部自分で選んで、どこででき上がりにするかも自分で決められますから」
今年の元日からは、頭に浮かんだショートストーリーを自身の文章とイラストで綴る、ブログ『空想ファンテジー』を開設した。
「頭の中で日々うにょうにょしていた空想の話を吐き出せる場所が欲しくて、文章をメインにする形で始めさせてもらったんです。でもやってみたら、挿絵をちょこっと描けることが、自分にとってはすごくいい。
キャンバスにアクリル絵の具で描くのと違って、いつもバッグに入れているメモ帳と鉛筆で、時間があるときに思いついたままをサッと描ける。アップしたものを後で見て、自分で笑っちゃうこともあります。何これ?意味わかんない!って(笑)」
個展会場の裏で撮影。豊洲は、香取さんが特別親善大使を務める「東京2020パラリンピック」の主要エリアでもある。仕事のうえでも、人生においても、「適当にやること」を大切にしているという香取さん。
「どこか力や気持ちを抜くところをつくって、一生懸命になりすぎないこと。自分の中でいつも合言葉のように“適当に、適当に”って唱えてます」。
それだけピュアでひたむきで、根を詰めやすいということ。ブログはきっと“力や気持ちが抜ける場所”でもあるのだ。
今回の日本初個展プロジェクトには、そんな香取さんの強力な助っ人として、映像ディレクターの児玉裕一氏ら、日本が誇るトップクリエイターが参加。
アイディアも仕掛けも満載の空間には、香取さんの未発表の新作も飾られるという。また3か月に及ぶ会期中に、展示作品が増えていく可能性も大。
「日常ではなかなか味わえないものを、この空間で感じてもらえたらなと思います。今いちばん楽しみなのは、スクリーンが開いて、お客さんがステージに入っていくときの表情。
ステージと客席という境界線を文字どおり飛び越えて、一緒にワクワクドキドキしてもらえる個展になったら、最高ですね」
香取慎吾/Shingo Katori
1977年、神奈川県出身。91年にCDデビュー。以降、HNK大河ドラマ『新選組!』(2004年)で主演を務めるなど、幅広いジャンルで活躍。17年より新事務所で活動、アート作品も多数発表している。主演映画『凪待ち』が今年公開の予定。
『サントリー オールフリー presents BOUM ! BOUM ! BOUM ! 香取慎吾 NIPPON 初個展』
3月15日~6月16日
IHIステージアラウンド東京10時~、11時15分~、12時30分~、13時45分~、15時~、16時15分~、17時30分~、18時45分~、20時~
※120分の入れ替え制、各回の定員は350名
第1期:3月15日~4月15日(チケット発売中)
第2期:4月17日~5月20日(3月17日12時より一般前売り開始)
第3期:5月22日~6月16日(4月21日12時より一般前売り開始)
全席指定一般3500円ほか
IHIステージアラウンド東京専用ダイヤルTEL:0570(084)617
取材・構成・文/岡﨑 香 撮影/平岩 享 ヘア&メイク/石崎達也 スタイリング/ 細見佳代 衣装協力/グッチ(グッチ ジャパン)
「家庭画報」2019年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。