トライ・アンド・エラーの結果を医師と共有し解決方法を探る
問題解決に向けて患者はどのように行動したらよいのでしょうか。ポイントは未来と今。
まず医師に、少なくとも1年後に手遅れになっているような怖い状況ではないことを確かめ、今後どのような兆候や変化が見られたら受診すべきかの注意点を聞きます。
こうして未来の不安を最小限にとどめたうえで、今の生活に支障が出ている困り事への対応法を探っていきます。
「重要なのは患者さん自身の“トライ・アンド・エラー”。日常生活の中でできるセルフケアを試み、その結果を医師に伝えるのです。
このとき、患者さんがつらさの程度や変化を数字に置き換えるなどわかりやすく伝える工夫をしてくれると医師は非常に助かります。
“まだ痛い”“少しはましかもしれない”など漠然とした表現を頼りに対応するのは、まるで手さぐり状態で心もとないからです」
医師は医学的見地からアドバイスを行い、患者は何度かトライ・アンド・エラーを繰り返し、また結果をフィードバックして一緒に解決方法を見つけていく。治りにくい慢性症状には二人三脚の対応が欠かせません。
「健康は、自分自身と医療者と家族や周囲の人々の営みの中で高めていくものです。医師の存在も“私の健康の関係者の1人”くらいに考えて、頼りすぎず、医学的専門性をうまく取り入れながらつきあうほうが、望ましい方向に進むのではないかと思います」