「2度目も覚えていてくれた」が
頼りになるお店の見極めポイント
ファッションを本職にしている私でも、「他の人が見たらどう思うかな?」と気になるもの。だから、ブティックでは必ず試着をして、「どう思いますか?」と店員さんに意見を伺います。
そんなとき、似合わないなと思ったら、さりげなく「こんなのもどうですか?」と、私が好みそうな違う服を持ってきてくれる店員さんがいるお店は要チェック。
「お客さまはヒップを隠したがっている。でも長い丈の服はバランスが悪く見えるから、違うデザインでヒップが気にならない服をおすすめしよう」と、即座にお客さまの趣味を推測しつつ、自分なりの提案をしてくれる力のある店員さんは、お洒落をしていく上で、強力なアドバイザーになります。
目をつけた店員さんがいるお店には、少し日を置いてもう一度足を運び、そこで自分を覚えていてくれたら本物。店員さん自身が、きちんと考えて提案してくれた証拠です。そういう方とコミュニケーションをとりながら買った服は、満足度も高いんです。
本音の意見をくれる店員は、
自分専属のスタイリスト
逆に、私ががっかりしてしまうのは、「それ、私も持っているんです」とか「何にでも合うんですよ」という店員さん。私だけにではなく、どのお客さまにも同じことを言っているんだろうなぁという感じが透けて見えてしまうから。
数えきれないほどブティックをまわり、さまざまな店員さんと接してきましたが、「この人、プロだな」と思える店員さんは、そんなにたくさんいるわけではありません。
私のチェックポイントは、試着をして「これは違う」と思ったとき、次にどんな服を勧めてくれるか。さりげなく私好みの服を持ってきてくれたら、アタリだと思うようにしています。信頼できる店員さんは、あなたのパーソナル・スタイリストなのです。
“隠す”お洒落から脱するアドバイスをもらえるだけでなく、新ブランドやトレンド情報なども、教えてくれるはず。
美容でも、年を重ねたら、プロの手を借りてメンテナンスすることが多くなりますよね? ファッションも同じです。これからは、プロの力を上手に利用して、客観的な意見を素直に取り入れていきましょう。“隠す”に主眼を置いたお洒落ではなく、今の自分に一番似合うものを選んでほしいと思います。
●迷い世代の服選び…「最近何を着ても似合わない」と悩む“ファッション迷い世代”の女性に向けて、雑誌『家庭画報』で活躍するスタイリストのおおさわ千春さんが、誰でも実践できる服選びのルールとポイントをお届けします。
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おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
イラスト/大橋美由紀 編集協力/湯澤実和子