今年6月~8月には帝国劇場でミュージカル『エリザベート』に出演予定。山崎育三郎さんとのWキャストでルキーニ役を務める。――演劇にハマったきっかけは?「高校時代に、ちょっとやろうよみたいな感じで親友に誘われて、清水邦夫の『署名人』という男3人芝居をやったこと。男子校で演劇部もなかったし、何も考えずに出たんですけど、これが面白くて。ねっとりした沈黙がある密室劇で、その濃密な静寂に魅せられてしまった。自分がバンドでやっていた音楽とは、真逆の世界。歪んだデカい音を鳴らしても、下手くそだから自分でも満足できなくて、もっと!もっと!と思うわりにはスカスカだったものが、静寂で埋まるのを感じて、これだ!と思った。それを機に、大学に入って芝居を観まくる生活が始まりました」
――いまや、帝劇ミュージカルにも出演と、幅広く活躍している成河さん。仕事をする際にいちばん大切にしていることは何でしょう?「“人と共にあろう”と心がけています。10年くらい前から、結果や評価はさて置き、まずそれができたかどうかを考えるようになりました。たとえ芝居が評価されても、カンパニーの人達とちゃんとコミュニケーションがとれなかったなと感じると、空しくなります。音楽家や陶芸家や画家のように、自分の世界をどこまでも突き詰める表現ではなく、僕は人と一緒に何かをつくり出す表現をやっているわけだし、観客との関係も含めて、常にゼロから関係性をつくろうとすることが演劇だと思うので。最初に東大生のサークルに入ったせいか、僕はどうも理屈っぽくて、そんなことばっかり考えてます(笑)」
――考えてみれば、人が集まって、そこで演じられるものを一緒に観る劇場そのものが“人と共にある”空間ですね。「そうなんですよ。演劇は“人に会いに行くもの”で、でき上がったものを1人で鑑賞するのとはまったく違う。だからこそ観劇マナーも大切になってくるわけですけど、それを言い過ぎると窮屈になって、新しいお客さんが来づらくなってしまうし、役者の質の低下にも繋がるような気がしています。何が起こるかわからない緊張感の中でこそ、培われるものがあるので」
――『BLUE/ORANGE』をどんな観客に届けたいですか?「とにかく色々な方に観ていただきたいです。翻訳劇ですが、難しいことは何もありません。今は海外ドラマを見慣れている方が多いですし、Joe Penhallさんは、ありふれた会話を書きながら核心へと連れて行くのがとてもうまい劇作家さん。しかも、小川絵梨子さんの新訳です。精神疾患の話なので専門用語は出てきますけど、急に場所が変わるような演劇的飛躍は一切ないし、突然歌が始まるわけでもない。構えることなく、軽い気持ちで冷やかしに来てもらえたらと思います。そこで感じた何かが、日常生活を送るうえで役に立つかもしれない。それもエンターテインメントの力だと僕は思っています」
成河/Songha
俳優
1981年、東京都出身。大学時代に演劇を始め、舞台を中心に、映像作品や吹き替えなどでも活躍している。平成20年度文化庁芸術祭 演劇部門新人賞を受賞。2011年には読売演劇大賞 優秀男優賞受賞。
『BLUE/ORANGE』3月29日~4月28日/東京・DDD青山クロスシアター 全席指定/7800円 お問い合わせ/チケットスペース 電話03-3234-9999
作/Joe Penhall 翻訳/小川絵梨子 演出/千葉哲也 出演/成河、千葉哲也、章平
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【応募方法】 サイン入り生写真の応募締め切りは2019年4月22日(月) 9時00分です。 下記応募フォームに、必要事項を入力してください。なお、ご応募は、お1人様1回限りとさせていただきます。 複数回のご応募は、無効とさせていただくことがございますのでご了承ください。 当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。編集部へのお問い合わせはご遠慮ください。 たくさんのご応募、お待ちしています! 応募する>>> ※サイン入りチェキのプレゼント応募は、申し込みを締め切りました。多数のご応募、ありがとうございました。
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