役を突き詰めた上でなら同じ表現になってもいい。でも、ロミオは違う
前作よりもいいという古川さんのロミオを、ジュリエットを演じる葵 わかなさんは「攻め」だと表現。そのココロは、「お芝居をやっている感覚として、どんな球が来るのかわからないっていう意味だと思うんですけど。ミュージカルをやる上では決まり事が多いんですけど、わりと自由に動くようにしていたので、それを観て感じたのかな」と古川さん。同じくジュリエット役の生田絵梨花さんは、古川さんを兄、ダブルキャストの大野拓朗さんのロミオを弟にたとえました。
古川さんは、大野さんのロミオを「すごく優しい」といい、「優しさとか、大野さんのロミオが見せる弱い部分で弟っぽく見える瞬間があって弟って表現をしたのかなと思います」。その大野さんのお芝居に引っ張られたり、むしろ離れることを意識したりはするのでしょうか。
「ダブル、トリプル(キャスト)のときはずっと離れようとしていたんですけど、それはよくないって気づいて。役を突き詰めた上でなら同じでもいいんだと思うようにしています。それとは関係なく、どんな芝居をしているのかはすごく見ていて。“ここ、すごくいいな”とか感じながら。でも、それは大野さんのロミオだからで、僕がそれをやってもよくなるわけではないと思うんです。まったく別のタイプのロミオを作っていたので。似たものを作っていたら、もしかしたら“やってみたいな”と思う可能性はあると思います」
古川さんのライブでもおなじみの曲『世界の王』。ロミオとロミオの親友・ベンヴォーリオ、マーキューシオが中心になって奏でられる。