イギリスのパブで提供されているチーズトースト。その名は“Welsh Rabbit”。直訳すると「ウェールズのうさぎ」ですね。昔々、貧しいウェールズ人がうさぎ肉さえ食べられず代わりにチーズを食べたため、この名がつけられたともいわれていますが、実のところ発祥はわかりません。
このチーズトースト、本来はチェシャー(チェスター)チーズを使いますが、日本でも手軽に入手できるチェダーチーズで代用しました。すりおろしたチェダーに大さじ2杯のビールを加えて鍋で溶かし混ぜ、卵黄と粒マスタード、ウスターソースで味付けしたものをパンに乗せて焼いた、おつまみにぴったりなメニューです。
ビールは黒ビール、ウスターソースはリーペリンにすると、より本場風。もちろん余ったビールでOKです。カイエンヌペッパーまたはパプリカを加えても風味が増しますよ。合わせるアルコールは、黒ビールやエールはもちろん、シェリーのオロロソ、イタリア・プーリアの濃厚な果実味のあるプリミティーヴォ種のワインなどがオススメです。吉田健志シェフの『酪農ビストロのとろけるチーズレシピ』より。
【材料 3枚分】
・チェダー 100g
・イギリスパン 3枚
・バター(食塩不使用) 20g
・ビール 大さじ2
・A [粒マスタード、ウスターソース 各小さじ1/卵黄 1個]
・黒こしょう 適量
【作り方】
1:チェダーをすりおろす。
2:イギリスパンをオーブントースターで軽く焼く。
3:鍋にバターを入れて弱火で溶かし、ビールを加え、1を数回に分けて加え、溶かす。途中、沸きそうならばいったん火を止める。
4:Aを順に3へ加えて混ぜる。
5:2に4をのせて伸ばし、オーブントースターで焼き色をつける。黒こしょうを振る。
『酪農ビストロのとろけるチーズレシピ』は都内でも珍しいチーズ料理の専門店、酪農農家ビストロ「スブリデオ レストラーレ」吉田健志シェフによるレシピブック。基本はスイス、フランス、イタリア、英国などヨーロッパ酪農国の伝統料理ですが、日本でも作りやすいよう工夫をこらしています。併せてチーズのおつまみなど、簡単アレンジのアイデアコラムも紹介します。レシピに使用したチーズ45種の詳解つき。
吉田健志(著)
定価:本体1,500円+税
撮影/工藤雅夫