免疫チェックポイント分子の発見と阻害薬の開発
その歴史は?
免疫にブレーキをかけるT細胞上の分子の発見ががんの新しい治療戦略につながり、薬が開発された
1987年フランスのグループが活性化したT細胞上に発現するCTLA-4分子を見つけたが、その機能は不明であった。
1992年京都大学教授の本庶 佑氏がT細胞上に発現する受容体であるPD-1分子を発見。
1995年CTLA-4分子が免疫にブレーキをかける物質であることをJames Allison氏(現・米国テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター)らが明らかにし、翌年、動物実験でCTLA-4分子の抑制が抗腫瘍効果を発揮することを報告。
1999年本庶 佑氏らはPD-1分子が免疫にブレーキをかける物質であることを発見、2002年にPD-1阻害が抗腫瘍効果をもたらすことを明らかにした。
2000年抗CTLA-4抗体薬の臨床試験が始まる。
2006年抗PD-1抗体薬の臨床試験が始まる。
2011年抗CTLA-4抗体薬イピリムマブ(商品名ヤーボイ)が世界で初めて米国で承認される(日本では2015年に承認)。
2014年抗PD-1抗体薬ニボルマブ(商品名オプジーボ)が日本と米国で承認される。
2018年本庶氏とAllison氏が「免疫を負に調節する機構の阻害による、がん治療の発見」によりノーベル生理学・医学賞を受賞。
・後編へ続く>> 取材・文/小島あゆみ イラスト/tokco〈LAIMAN〉(タイトル)にれいさちこ(本文)
「家庭画報」2019年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。