優しく、ラブリーな人柄が、周囲のスケート仲間やスケートファンの心までも明るくしてくれるジェイソン・ブラウン選手。4回転がなくても堪能させてくれるSP2位の演技は、心震える出来栄えでした。写真/AP/アフロジェイソン・ブラウン選手(アメリカ)
SP「Love is a Bitch」96.81点2位(FS「Old Friends & Bookends」14位157.34点 合計254.15点 9位)
ジェイソンが見せてくれたSPの演技は、この日一番の美しい演技だったのではないでしょうか。
指先まで神経の行き届いたポージング、滑らかにすっと降り立つような着氷。ステップの美しさはもちろんですが、すべてが味わい深く、フィギュアスケートの芸術性を堪能させてくれる演技でした! 4回転こそ入れていませんが、3回転フリップ、トリプルアクセル、3回転ルッツ–3回転トウループのコンボと、どれも加点がつく出来栄え。もちろん、会場はスタオベでした。
2018年5月からカナダのクリケットクラブに移籍し、羽生選手とリンクメイトになったジェイソンは24歳。ブライアン・オーサーコーチのもとで一緒に練習している、エフゲニア・メドベージェワ選手やチャ・ジュンファン選手たちと撮った写真を時々上げてくれるインスタグラムからは、お互いにリスペクトし合って、仲良く練習に打ち込む環境の良さがうかがえます。残念ながら、FSではミスが続き、総合順位9位となってしまいましたが、彼だけが表現できる優しく、やわらかな世界観は本当に魅力的だと思います。