涙の復活を遂げたアリーナ・ザギトワ選手。五輪女王としての重圧に加え、1年で身長が7㎝伸びたことなどで、このところ優勝から遠ざかっていただけに、FS演技後、涙が止まらない姿にもらい泣きした方も多かったのでは。成長期、うまく乗り越えられますように!写真/松尾/アフロスポーツアリーナ・ザギトワ選手(ロシア)
FS「カルメン組曲」155.42点1位(SP「『オペラ座の怪人』より」 82.08点1位 、合計237.50点優勝)
平昌五輪で、エフゲニア・メドベージェワ選手を抑え、金メダルに輝いたアリーナ。
大の日本好きとしても知られ、秋田犬のマサルとともにバラエティでも愛くるしい素顔を度々見せてくれていますが、ここ最近、スケート面では苦しんでいる様子が伝えられていました。
成長期による身長の伸びや体格の変化により、ジャンプの軸がずれたり、バランスが狂うことは往々にしてあるといいますが、世界女王のアリーナもその悩みからは逃げられず、ユーロ選手権での演技も完璧とは程遠い内容に……。今回もまだ調整が難しいのではないかと思っていましたが、さすがです。この大一番に合わせてきました。
SPをほぼノーミスで演じ、1位で迎えたFS。後半に組み込んでいる3回転ルッツ-3回転ループの着氷もなんとかこらえ、どのエレメンツも加点がつく出来栄え。
まだ16歳ではありますが、女王としての貫禄十分な演技を見せてくれました。一つひとつ丁寧に滑り、大きなミスなくFSを終えたアリーナが感極まって涙する姿に、今シーズンの葛藤が垣間見えましたよね。
まだしばらくは、体と演技の調整が難しい時期が続くかもしれませんが、うまく折り合いをつけて、華のある演技で堪能させてほしいです。