ゴールにたどり着くためには、1カットもミスできない
「これを言ったら傷つくんだろうな、嫌な気持ちになるんだろうなみたいな、普通の人だったら理性で抑えられるものを、マモルには理性が全然ないので、言っちゃう。だから、モテないんだろうな〜って。でも、結果的にマモちゃんはどこか憎めないっていうのがゴールなんですよ。そこに行くためには、すべてが程よくなきゃいけなくて。1カットでもミスをしたら、ただの嫌な奴になったり、“いい人と思われたいのか!?”みたいなことになる。そのへんのバランスがとても難しいなと。だから、一つひとつを考えて、とっても丁寧にやりました」
以前から親交のある今泉力哉監督とは「一つのシーンをどこに持っていくかみたいなものを何パターンも準備して、すごくたくさん話をしました」と成田さん。それは、「お芝居の話を2人で飲んでるときにしているような感じ」だったそうで、成田さんからアイディアを出すこともあったとか。
「アイディアっていうほどでもないですけど……。(今泉監督とは)いい緊張感みたいなものは必ずあるんですよ。その中で、“こうしてほしい”じゃなくて、お芝居に向き合う前に“こういう雰囲気にしたい”とか“こういうふうに持っていきたい”とか、そのときのマモルの心の持ちようと変化を話し合いました」
今泉監督が昔やっていたワークショップに成田さんが行ったことからつきあいが始まり、「いつか一緒にやりたいね」と話していたそう。