ムーラン・ルージュ統括シェフのダヴィッド・ルケレック氏(奥・左から二人目)と隣は公邸シェフのセバスチャン・マルタン氏。フランスではアーティストとして尊敬される、ムーラン・ルージュの踊り子たち。クラシックバレエの素養が求められるなど、その基準は厳しい。世界中の食通を虜にするフランス料理。なかでもミシュラン三つ星に代表される高級レストランの料理は憧れの的。そして「アールド ヴィーヴル(食やインテリアなど暮らし全般をアートととらえる)」という言葉があるように、フランス人にとって食べることはアートであり、人生の喜びであります。そんな美食の国の外交の最前線、大使公邸での要人を招いてのお食事の席は、いったいどんなものなのでしょう。
特別ディナーイベント「グード・フランス」を知ってますか?
春の一日、「グード・フランス」開催を記念して、大使館でレセプションが行われました。この「グード・フランス」は世界150か国のフレンチレストランで同じテーマの下、料理を供するというもの。
今年のテーマは「プロヴァンス」でした。ご紹介する大使館での料理は公邸の料理人、セバスチャン・マルタン氏と、パリ・モンマルトルの老舗キャバレー、ムーラン・ルージュの統括シェフで、数々の星付きレストランでの経験を持つダヴィッド・ルケレック氏によるコラボレーション。ムーラン・ルージュは130年の歴史を持つ、パリのアイコン的な存在。もちろん食も折り紙つきです。
大使館のダイニングに置かれた楕円のテーブルには、ガラス器や銀器が煌めく正式なセッティングがなされています。本日のメニューはハーブのソルベとキャビアを贅沢にのせたフラン、魚料理はブイヤベースで、これは典型的な南仏マルセイユの料理です。
フランスでは子羊の旬は春から夏にかけて。まさに旬の味がメインディッシュで登場。メインディッシュはレモンのコンフィと南仏の郷土料理、野菜のファルシーを添えた子羊。そしておいしい料理には、なんと言っても美味なるワインがかかせません。今回は特別に大使館のワインセラーも見せていただきました。