今日は水ぬるむ季節においしくなる魚、いさきの淡味を楽しむ木の芽焼きをご紹介しましょう。上品な白身魚に春の香りをまとわせて献立を豊かに。酒を使った地は、甘鯛の若狭焼きに使われることから「若狭地」といいます。「木の芽」は立春から立夏の間に使う言葉。その他の時季は、「葉山椒」と呼ぶのがならわしです。叩いた木の芽を混ぜたフレッシュな香りの若狭地をはけで塗ることを2、3回繰り返しながら、魚焼きグリルで両面を焼きあげていきます。いさきの他に、鯛やさわらなどの白身魚でもおいしく作れますので、ぜひ季節の魚で作ってみてください。『野﨑洋光 春夏秋冬の献立帳』より。
【材料 2人分】
・いさき(50gの切り身) 4切れ
・木の芽 20枚
・塩 適量
・若狭地 [酒 大さじ2/薄口醤油 大さじ1]
・しょうがの甘酢漬け 適宜
【作り方】
1:いさきの両面に塩をまぶして30分おき、水で洗って水気を拭き取る。
2:木の芽を包丁で叩き、若狭地の材料と合わせる。
3:温めておいた魚焼きグリルに1を入れ、焼き始める。ある程度焼けたら、はけで2を塗り、再び焼く。これを2~3回くり返しながら、両面を焼き上げる。
4:器に盛り、お好みでしょうがの甘酢漬けを添える。
家庭料理の基本は栄養バランスのよい献立。でも「献立が立てられない」という悩みを持つかたが多いのも事実。その悩みに応えるべく、人気料理人・野﨑洋光さんが季節の食材を生かした49の献立をご紹介します。春夏秋冬の単品料理も合わせて計266レシピ掲載する、季節の家庭料理決定版です。段取りのタイムスケジュール表や、「作りおきできる」マーク、作り方のポイントに黄マーカーを引くなど、作りやすい工夫も満載です。
野﨑洋光・幕内秀夫(著)
定価:本体1,800円+税
撮影/髙橋栄一、南雲保夫、三木麻奈、湯淺哲夫