【作り方】
1:子羊肩肉は5cmに切り、全体に塩と黒胡椒を振って、小麦粉を薄くはたく。この小麦粉が、スープに自然なとろみをつけてくれる。
2:玉ねぎは4つ割りに、にんにくは半分に切って芯を取る。かぶは茎を少し残して皮つきのまま半分に、パプリカは種を取って一口大に切る。なす、ズッキーニはそのまま、にんじんは皮をむいて、それぞれ厚さ1.5㎝の輪切りにする。じゃがいもは皮つきで丸ごと使う。トマトは半分に切る。
3:にんにく、じゃがいも、トマト以外の野菜をボウルに入れ、塩ふたつまみを振ってざっくりと混ぜ、しばらくおく。これでアク抜きになって煮やすくなる。野菜から出た水分は、キッチンペーパーで押さえて取り、面倒だが、また野菜ごとに分けておく。
4:鍋にオリーブオイルを入れて中火で熱し、香りが立ったら肉を脂がついている面から焼く。
5:しっかり焼き色がついたらひっくり返し、全面に色がついたら、いったん取り出す。肉から出た脂はボウルにとっておく。これは後でまた使う。
6:鍋に残っている油をキッチンペーパーで押さえて吸い取り、バターを入れて中火にかける。
7:バターが溶けたら、にんにくと玉ねぎを入れて炒める。色をつける必要はないので、油がなじんで香りが出てきたら、にんじん、じゃがいもを入れて炒める。
8:油がなじんだら、かぶ、パプリカ、なす、ズッキーニを入れ、ざっと炒めて油をなじませる。
9:野菜を半量ほど取り出して、肉を戻す。皿に残った肉汁も残さず入れる。上から野菜をのせ、野菜で肉をサンドして蒸し煮にする。
10:上からトマト、トマトピューレ、水、タイム、ローリエ、バジルの軸の部分を入れ、香り付けに取り分けておいた羊の脂を大さじ1入れる。中火にかけ、沸騰したら弱火にし、蓋をして煮込む。
11:煮込み始めて30分後。だいぶ汁が上がってきている。鍋の容量にジャストなサイズで煮込むと、濃縮感のあるスープになる。煮込む間は、鍋の中を混ぜたりして動かさないこと。ここからさらに1時間煮込み、トータルで1時間半。最後に味をみて足りなければ塩で調え、香り付けのバジルの葉を入れてなじませれば完成。
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和知 徹(著)
定価:本体1,400円+税
撮影/合田昌弘