書道6段の腕前。色を使わず、水墨画を描くのが好きなのは、そのせい!?――東さんが演じる画家の和也を、どう捉えていますか?「まさに恋に落ちている男子。可愛いなと思います(笑)。最初は、飛行機の隣の席の人に話しかけられて、うわ、面倒だなあと思っていたのに、悲しいことも明るくしゃべるレイチェルに段々惹かれていって、もっと一緒にいたいピュアな気持ちがどんどん湧き出てきて。前半はほとんどレイチェルがしゃべっているので、和也としては純粋に転がされるというか(笑)、レイチェルの言葉や仕草に新鮮にリアクションをとりながら、好きになっていったらいいのかなと。そんなピュアな和也の魅力を、歌で引き出していきたいですね」
――東さんのお祖父さまも画家だったそうですね。「そうなんです。だから今回のオファーを聞いたときは、えっ!? と思って。僕も嬉しかったんですけど、むしろ親のほうが喜んでくれました。祖父はもう他界していて、油絵を描く和也と違って、水彩や色鉛筆を使っていたんですが、和也の人物像をイメージするのに参考にさせてもらっています。今回の和也の年齢設定は25~26歳くらいなんですが、同世代の男の子より精神年齢がちょっと高くて、落ち着いていて。でも、ある部分では我がままで子どもっぽくて、無邪気に感情を爆発させたりするのかな、とか」
――東さんも絵を描かれるのですか?「絵を描くのは好きです。ただ、色をのせることができなくて、鉛筆画とか、水墨画ばかり描いてますね。色を使わなくても陰影を表現できるところに面白さを感じるし、まあ、手間がかからないところがいいんだと思います(笑)」
――ご自身を色にたとえるなら何色でしょう?「グレーですかね。2.5次元ミュージカルからスタートして、グランドミュージカル(注1)や、今回のような作品にも携われるようになって……そうやって新たなジャンルに挑戦していく中で、また自分の色を変えなくてはと思っているところなので、変化の途中の色というか。身につけたことはないんですけど、好きな色はオレンジです。小さいときに、母親のことがオレンジ色に見えることが何回かありまして、以来、温かい雰囲気を感じるものを見るとオレンジ色に見えたりします。あと夕陽を見ると、すごく落ち着きますね」
注1:大劇場で、大がかりな装置やオーケストラの生演奏などを用いて上演される大規模なミュージカル。