藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
記事一覧はこちら 7月8日の贈り花
蕾の形がよく似たハスとバラを束ねると…
ハスの花が出回るのは、ちょうど今頃から8月のお盆前の期間のみです。ハスは水揚げがあまりよくないので蕾で出荷され、そのまま開花しないことが多くあります。でも、その蕾のなんと美しく、きれいなこと! それが見たくて、毎年この時季にはオーダーがなくてもハスを仕入れてしまいます。
ハスの蕾のあでやかなピンクによく似た花色のバラ、イブピアジェを合わせて束ねてみました。どれがハスでどれがバラかわかりますか? 周囲をモミジで囲ってみると、どことなく和の雰囲気が漂うブーケになりました。
ハスというと昔から仏教の花という印象が強いのですが、とてもアーティスティックで見ていて飽きない美しさがあります。固定観念にとらわれず、アート好きな方へ、またレストランやショップへの贈り花に、ぜひ利用してもらいたい花です。
オーダーがなくても、こうやってときどき好きな花を組み合わせて束ね、雰囲気をつかむようにしています。
【使用花材】ハス
バラ イブピアジェ
モミジ
贈り花のヒント仏壇にやお墓にお供えする花を仏花と呼びます。仏花の場合、使うのを避けたほうがよいのがトゲのある花。バラ全般やアザミなどは避けるのがしきたりとなっています。ご自身の祖先であれば、しきたりにとらわれず、故人の好きだった花を飾るのもよいと思いますが、差し上げる花であればマナーとして避けるのが賢明です。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』 2021年4月12日発売!
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載しています。オールカラーの大判の単行本で楽しむ、藤野さんのナチュラルでエレガントな花の世界は、眺めるだけで幸せな気持ちに。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。