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ソロコンサート『世界のうた』を開催。坂東玉三郎さんが語る歌への思い

2019.04.23

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2017年11月には、アルバム『邂逅~越路吹雪を歌う』をリリース。奇しくも芸能生活60周年の節目の年を飾ることとなった。写真/岡本隆史

――歌舞伎と、今回のような洋楽中心の歌を歌唱される際では、声の使い方は違うのでしょうか?

歌舞伎女方は裏声を使ったり、高い声を使ったりしますけれども、声帯を正確に振動させるという意味では、基本的には同じです。そもそも僕が歌うようになったきっかけは、50歳くらいから声が出にくくなってきて、発声の訓練を始めたこと。トレーニングするうちに、ここまでやったのなら、歌ってみたら?とすすめられて、歌い始めました。言葉に意味を込め、音に乗せて心を伝えるという点では、歌も芝居も同じだと考えています。


――お芝居とは違う歌の魅力を、どこにいちばんお感じですか?

3~5分で世界が一つ完結するところですね。たとえば『桜姫東文章』は、5時間半くらい頑張ってやっと一つの作品として完結しますが、トニー・ベネットの「いそしぎ」なら、4分くらいでできます。それだけ詞の世界には素晴らしいものがありますし、一晩のうちに様々な人生観をまとめて表現できる楽しさもありますね。その代わり、一つひとつの歌の世界、歌の心を、きちんと表現しなければいけない、と思っています。

――玉三郎さんは、カラオケはお好きですか?

内緒にしていましたけれども、実は好きでした(笑)。時折、気の置けない仲間と歌うことが、息抜きになっていました。先ほどから申し上げているような、若かった頃からそばにあった同世代の曲をよく歌っていましたね。井上陽水さんや玉置浩二さんの歌、それから矢沢永吉さんや桑田佳祐さんの歌も。
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