季節の気分を全身でアピール
仕事中で忙しい中、「2分だけ時間をください!」という図々しいお願いに応えてくれた、優しいアンヌさん。パリ、大人のおしゃれの見本帳 05雨の多い暗い冬が過ぎ、ようやく春の訪れを感じ始めた頃のフランスは、日の光の美しさに思わず心が踊ります。 特に陰鬱とした秋冬の期間が長いからこそ、その喜びも格別! そんなフランス人の陽気な気持ちはファッションにも反映されています。
こちらは、パリの街でいち早く春色のワードローブに身を包んでいたアンナさん。写真の背景からもおわかりいただけるように、春の初めは朝晩と日中の寒暖差の激しいパリでは、ダークカラーに身を包んだ人たちが大多数だったのですが、アンナさんの華やかなカラーの着こなしは、とても際立っていました。
自分の体型を熟知したオールインワンの着こなし何より私が格好いいと思ったのが、長身ゆえのバランスのよさで難易度の高いオールインワンをスタイリッシュに着こなしていたこと。ピーチピンクのフェミニンな色も、ぐっと大人っぽい印象です。
パリでは、アンナさんのように体型を美しくキープしている大人の女性を多く見かけることも、私には刺激になります。やっぱりおしゃれには、服をきれいに着こなす体づくりも重要なポイントなのね、と自分の体を見て明日からの努力を誓うのでした(大抵長続きしませんが)。
着こなしの印象を決定づける靴にも季節感を足元も服と同トーンのオープントゥパンプスで、全身を軽快に見せています。
この日の朝の気温は5℃程度! そんな日でも、朝からおしゃれのために生足で出勤した彼女の気合には頭が下がるばかり。
カジュアルな小物使いが、春の軽やかさを後押し軽やかな装いを損なうことなく、程よくスパイシーでリゾート感薫るカジュアルな小物使い。コーラルトーンでまとめた華奢なネックレスやレザー編みのベルトなど、服とマッチした色合わせにも、こだわりを感じます。
さらにピンクトーンをぐっとシックに引き立てているのが、ネイビーの椰子の木プリントのジャケット。
反対色のアイテムを取り入れることで、コーディネートがぐっと引き立つおしゃれ術は、色を楽しめるこれからの季節の参考にしたいところ。
そんなアンナさんのファッションに触発され、この春夏のおしゃれ計画に思いを馳せるのでした。
~MEMO~おしゃれには服をきれいに見せる体づくりも大切!
次回以降は、すっかり春めいてきたパリの街で、ハッピーな季節の空気を感じさせるファッションに身を包んだ女性たちをキャッチ。お楽しみに!
写真/Olivier Leroy
ルロワ 河島 裕子 / Hiroko Kawashima Leroy
プロフィール
ファッションライター。『家庭画報』をはじめ大人の女性に向けた雑誌で、ファッションやジュエリー、時計を中心に幅広く執筆。2018年より、家族とともに、拠点をフランス北部の田舎に移す。夢はワインの聖地・ブルゴーニュでB&Bを営むこと。行き当たりばったりのフランス移住エッセイ「
意外となんとかなる!? 40代のフランス移住」を同サイトで連載中。