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青森県 世界に一つだけのかごバッグ。青森の手仕事とパリの感性が出合うとき

2019.04.26

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青森は初めてという河原さんは1月、柴田さんの工房を訪ねることに。工房に入ると、ヒバ特有の清涼感ある芳香に包まれます。

「気持ちが落ち着くいい香りですね」と河原さんも深呼吸。


樹齢300年の青森ヒバの木を見る河原さん。日本に生息するヒバの約8割が青森県に集中しています。


「大きくてモダンなトートバッグと、斜めがけにできる小さなバッグを作りたいのです。カジュアルだけどスマートなイメージ。ストラップも細くして、色は青森にちなんだ色がいいですね」と事前に描いてきたデザイン画を取り出し、柴田さんと打ち合わせを始めます。


河原さんがイメージしたバッグのデザイン画。大きなトートバッグと小さな斜めがけバッグでサイズ感にメリハリを出し、マチもレザーストラップも細くしてスマートな印象に。

「バッグのマチを細くするには?」「編み目の数で幅が決まるから」「ストラップはどうやって取りつける?」「ヒバが割れないように工夫しないと」……。バッグの編み目を数えながら、次から次へとアイディアを出し合う二人は、初対面とは思えないほど意気投合。柴田さんはさっそく小さいバッグの試作品を作ってみることに。

「60年以上青森ヒバとともに生きてきたので、ヒバは子どもみたいなものですね」と柴田さん。

テープ状になったヒバを丁寧かつ瞬時に編んでいくその手さばきに、河原さんはじっと見入ります。「光沢のある編み目は、とにかく美しいのひと言。この美しさを壊さないように、私のオリジナリティを加えて仕上げますね」と、河原さんのイメージもますます湧いたのでした。


約20年前、柴田さんが初めて編んだかご。これは青森ヒバではなく、イタヤカエデで編んでいます。年月を経て、なんとも味わい深い色合いになっています。


「これが私の教科書」と柴田さんが大切にしている、お母さまの嫁入り道具の行李。編み目には数字がびっしりと書き込まれています。


柴田さんの作品が山のように積まれた工房は、力強くて優しいヒバの香りに包まれて。


テープ状に削られた青森ヒバ。かごを編み始めた頃は一つ一つ手鉋で削っていたそう。


河原さんのデザイン画をもとに、小さいサイズのバッグの試作を始める柴田さん。テープを1本ずつ交差させ、バッグの底になる面から編みます。足で押さえながら、編み目を均一に整えます。


底になる面が編み上がったところで、霧吹きで青森ヒバをたっぷりしめらせます。このひと手間で、折り曲げた際にテープが割れたりヒビが入るのを防いでいます。


少しずつしなりをつけ、立体的に成形していきます。この後、残りのテープを最後まで編み上げます。


予定のサイズまで高さが仕上がったら輪ゴムで押さえ、余分なテープをカットして。


編み上がった試作品のサイズ感を確認するお二人。河原さんは長財布を取り出し、「長財布と携帯電話がちょうど収まるこの小ささが素敵。イメージどおりです」。

柴田円治さん
1953年より青森営林局大畑ヒバ施業実験林の管理育成に携わる。定年退職後、青森ヒバの採材時に出る端材でかごを編むように。全国観光土産品連盟主催全国推奨観光土産品審査会において、第46回日本商工会議所会頭賞、第48回経済産業大臣賞受賞。
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