髙橋大輔さん、心をつかむ圧巻のパフォーマンス 満員の会場は幕が上がる前から、熱気、期待感、そして初回ならではの少し張りつめた空気に包まれていました。開始までいよいよあと数分になったとき、幕の向こうから聞こえてきたダンサーたちの「L.O.T.F!」コール。出演者たちの一体感、そして意気込みが会場にも伝播してボルテージを高め、歓声がわき上がりました。 そして今度は客席に向かい拍手が。シェリル・バークさんとともに今企画の中心人物であるディレクター兼振付師のジェリ・スロッターさん、ポール・モレンテさんが客席に現れたことに気がついた観客の皆さんが、拍手で迎えていたのです。舞台への期待感で、会場は千秋楽の体感温度にも近いまでにヒートアップ。スタート前から出演者、制作スタッフ、観客が一体となった状態で、幕が上がりました。そして舞台には白いスーツを着た髙橋さんが立っていました。 髙橋さんのモノローグ、ダンサーたちとの群舞で構成された「PROLOGUE」からスタート。そのあとは昨年同様、「ROMANCE」「PASSION」「HURT」「POWER」の4部構成で、核となっていた楽曲やフィーチャーするメインダンサーは同じなので、1年ぶりに会えた懐かしさを覚える一方、前回より格段にスキルアップ、ブラッシュアップされたダンスの迫力、演出のこだわりに、出演者と製作陣の気合いを感じた2時間半弱となりました。髙橋さんは最初からスイッチオン。雲の間から差し込む光に照らされて柔らかくゆったりと踊り始める「GLORY」。髙橋さんが発する愛のオーラに会場中がじんわり癒やされていくかと思えば、キレッキレの動きでぐいぐい引き込んでいきます。 6月16日に行われたプレスコールより。
「GLORY」(PROLOGUE 髙橋大輔さん)
https://youtu.be/hltyl5ECM-c
ジョン・レジェンドとコモンが歌う、映画「セルマ」 の主題歌。 悩み傷つきながらも栄光のために歩み続けるというメッセージが深 く、尊い。
そして今回も、「ROMANCE」の先頭をきるのはクリスティ・ヤマグチさん。1992年アルベールビルオリンピックの女子シングル金メダリストのクリスティは、いま45歳。誰よりも可憐な愛らしさを振りまきつつ、プロのダンサーたちに交じっても引けを取らないダンス能力の高さはさすがです。 続いて、髙橋さんとチャーリー・ホワイトさんを中心にした「雨に唄えば」。傘を使ってのダンスを男性ダンサー4人と繰り広げるわけですが、これは髙橋さんとチャーリーのダンススキルへの信頼があるからこそできること。確かに、ダンサーたちをリードして堂々と、楽しそうに踊る髙橋さんは再演の今回だからこそ出会える、まさしくW主演のダンサーそのものでした。