4月17日
オリエンタル帯を効かせてイベントへ
服飾文化の過去・現在・未来に一本の軸を通し、ヴィンテージのコレクションの展示や服飾文化にまつわるセミナー活動を行っている公益財団法人日本服飾文化振興財団が提唱している、「由緒あるヴィンテージに今の気分を加えて楽しむ」は、まさに「母のタンス、娘のセンス」そのもの。そこで、古いきものを今の感性で楽しむ「進化系着物スタイル」という切り口でトークイベントを行わせていただきました。この日の装いは、私が著書の中でも真っ先にお伝えしている「オリエンタル帯」のセオリーでコーディネート。
先月、告知させていただきました日本服飾文化振興財団の主催によるトークイベントへ。お洒落なファッション関係の方々が大勢お越しくださいました。地味好みの母にしては華やかな、でも今ではどこかレトロな感覚のローズピンクの縞の小紋。山口蓬春先生の奥さまの形見分けで、母が大切にしていた古代更紗の帯を合わせ、最近の中では一番のお気に入りのかづら清老舗で求めた、猫の帯留めを合わせました。三分紐は白で抜け感を演出しながら、帯揚げはマスタードカラーでひとひねり。いつもなら、白っぽい色を合わせるのですが、ファッション関係の方々の集まりとあって、いつもと違うニュアンスに。
母のローズピンクの縞の小紋が、小粋に演出できました。この日は少し肌寒かったので、黒の羽織を都会的なジャケット感覚で装いました。
我が家の牡丹は満開。来月の装いもどうぞお楽しみに。
一色采子/Saiko Isshiki
日本画家の故・大山忠作氏の長女として東京都に生まれる。毎日をきもので暮らしたお母様のもとで、コーディネートや着こなしのセンスを磨き、現在はファッションのアイテムを取り入れながら独自のスタイルを楽しむ。趣味の日本舞踊や三味線、長唄では名取になるほど、古典芸能への造詣も深い。現在は、福島県にある二本松市大山忠作美術館の名誉館長や二本松市の観光大使も務める。
【連載】女優 一色采子の「母のタンス、娘のセンス」
構成/樺澤貴子