端午の節句の今日、はまぐり、菜の花、せり、新ごぼうなど春の恵みを豪華に組み合わせた献立はいかがでしょう。
主菜は「はまぐりと菜の花のいしる煮」。春を代表する食材であるはまぐりを、同じ魚介の旨みを生かした日本三大魚醤のひとつとされる石川県・能登の「いしる」をだしにして煮ます。いしるの代わりに、しょっつるやナンプラーなどほかの魚醤を使っても、それぞれ風味が違うので、またひと味違う風合いになります。魚醤は、酸味をプラスしないと臭みを感じることがあるので、ここではトマトとレモンを合わせています。れんげにご飯をのせて、煮汁に浸して食べても魚介の旨みたっぷりでおいしいですよ。
副菜に添える「新ごぼうの卵とじ」は、新ごぼうのシャキッとした歯ごたえで、食感のリズムがよくなり、食がすすみます。香りや食感は少し違いますが、新ごぼうの代わりに普通のごぼうでもかまいません。ごぼうは水にさらすと旨みがなくなるので、さっと洗う程度にしましょう。
「うずらとせりの味噌汁」は、せりの仲間、セロリ、にんじんの葉、クレソン、コリアンダー(パクチー)、パセリなどを味噌汁の具に使ってもおいしいですよ。『野﨑洋光 春夏秋冬の献立帳』より。
【材料 2人分】
・はまぐり(殻つき、砂抜きしたもの) 10個
・菜の花 8本
・長ねぎ 1本
■煮汁
・いしる 大さじ2
・トマトジュース(食塩無添加) 大さじ2
・レモンの搾り汁、酒 各大さじ2
・醤油 大さじ1
【作り方】
1:水の中ではまぐりの殻をこすり合わせて表面の汚れを落とし、よく洗う。水を替えて3分浸し、ざるに上げる。
2:菜の花は堅い根元を切り落とし、長さを半分に切る。長ねぎは3cm長さに切って縦4等分にして芯を取る。これらを一緒にざるに入れ、熱湯に浸けて箸でほぐし、ざるを引き上げる。
3:フライパンに1と煮汁の材料を入れ、ふたをして火にかけ、蒸し煮にする。煮汁が沸いてはまぐりの口が開いたら2を加え、煮汁をからませて温める。