千秋楽での髙橋さんのダンスを見て感じたのは、初日公演のときに比べて、登場場面ごとのダンス表現の違いがさらに際立っていたこと。 「GLORY」ではよりいっそう感情を解き放てるようになったことで、腕や体全体が自然に大きく動き、そのパフォーマンスを通じて表現したい切実さ、激しさがダイレクトに伝わってきました。 踊る度に発する空気の崇高なこと。かと思えば、「雨に唄えば」や「ヘザーズ」のときのとても楽しそうに踊る場面では観客の皆さんも思わず笑顔に。 また「台輔」での完全なる支配者ぶりたるや! 上から見下ろす眼差しの冷たさ、鋭さが圧倒的に増していました。普段の髙橋さんとは別人のようなその表情に、射抜かれてしまった方を多数目撃した気がします(笑)。昨年の舞台後に『家庭画報2017年1月号』の取材でインタビューさせていただいたときは、「恥ずかしいから舞台上では観客の皆さんと目を合わせないようにしていたんです」と言っていた髙橋さんでしたが、今回は見据えていましたよね。腹をくくっていました。 6/24カーテンコールより。撮影/家庭画報編集部
今回の舞台では再演ならではの、出演者と観客の相互交流とも言うべき熱量の多さをひしひしと体感しました。 観客の熱が、髙橋さんをはじめとするトップスケーターやトップダンサーたちのパフォーマンスのレベルをさらに押し上げ、公演を重ねる度にますます進化、深化していったように思います。