舞さん:ソチ五輪で真央の演技に涙している大ちゃんを見て、さらに涙があふれたファンの方も多いと思うんですけど~(笑)。 大輔さん :あれ以来、涙もろくなったんです。今までそんなに泣かなかったんですけど、2日連続泣かされましたからね。 真央さん: 真央もあの時に初めて大ちゃんの涙を見た気がする! そう思っている人、結構いるかもしれないよね? 大輔さん:あれ以来結構泣いてる。あれで涙腺崩壊したから(笑)。 舞さん:では、お互いへのメッセージをお願いします。まず真央から大ちゃんに。 真央さん:年齢がちょっと離れているから、ノービスでは一緒ではなかったんですけど、ジュニアの頃からショーや合宿だったり、シニアにあがってからは一緒の試合になることが多くて。男子が先で大ちゃんの結果を見て自分が滑る流れが多かったんですけど、大ちゃんが優勝したりすると「ああ、女子も頑張らなくっちゃ!」と思ってずっと頑張ってきました。なので、大ちゃんが引退してしまったときは少し残念な気持ちもあったんですけど、今は2人とも新たな道に進んでいるので、これからもよろしくお願いします! あれ、なんか変(笑)。それぞれ頑張りましょう!でした。 大輔さん:真央がすごく綺麗にまとめてくれて(笑)。浅田真央という存在があったからこそ、僕自身もスケートを現役時代は頑張ってこられました。今回、真央が引退してプロに進むということで、彼女にしか開けない道をどんどん切り開いてもらいたいです。プロフェッショナルなスケーターになってからのいろいろな可能性や道を後輩のスケーターたちも作っていけるような、そんな(先駆けのような)進み方を……してくれないかな?って(笑)。 やっぱり浅田真央というスケーターは誰にも真似できないスケーターですし、僕も負けないように勝手にライバルだと思って、今後ともよろしくお願いします。ちょっと恥ずかしいね(笑)。 真央さん:まさか、メッセージお願いします、と来るとは思っていなかった。 舞さん:この台本にも書いてないんだけど、個人的に聞きたいなと思っていたので(笑)。いよいよ第2部ですが、真央、公演が始まった気分はどうですか? 真央さん:今日初日なのでもう緊張しちゃって。足が震えちゃっています。久しぶりのショーなので、観客の皆さんもどきどきワクワクしていると思いますが、私もどきどきワクワクしています。
今回、「真央メドレー」を軸に感想をまとめましたが、見応えのあるナンバーや演出がたくさんありました。第1部での浅田さんと村上佳菜子さんのコラボ「旅人」や、第2部でも左股関節の疲労骨折から復帰した宮原知子選手が新境地を見せてくれる新SP「SAYURI」、五輪シーズンにおける宇野昌磨選手の勝負FS「トゥ―ランドット」、髙橋大輔さんが久しぶりにアップテンポのナンバーでキレキレステップを見せてくれた「Caravan」と並び、息つく間もありません。 そして、浅田さんの新プログラム「ラフマニノフ エレジー〜スイートメランコリー」、「愛は翼にのって」。ローリー・ニコルさんと心を込めて作り上げたというだけあり、更に成熟し深化した演技を見せてくれました。曲の終わり近くに、浅田さんのこれまでのスケート人生を振り返るビデオが流されるのですが、これがまたまたぐっと来ます。自分を信じ支えてきてくれた人々に対する感謝のメッセージが流れるのですが、お礼を言いたいのはこちらです、と思いながら見つめていました。 5歳でスケートを始めてから26歳までのスケート競技人生では、苦しいこと、悲しいこと、つらいことのほうがきっと多かったはず。過酷なプレッシャーと責任を抱えながら、それでも夢を諦めずに限界まで踏みとどまって感動を与え続けてくれた浅田真央さん。彼女がいてくれたお陰で、どれだけ日本のフィギュア界が花開いたことか。日本が世界に誇るスケーターは妖精のような外見ながら、真摯に夢を追い続ける求道者のようでもありました。 これからも数多くのアイスショーを見る機会があるとは思いますが、今回の「The Ice2017」はオープニングからフィナーレまでのすべてが、いついつまでも記憶に残るであろう素晴らしい構成内容と演技でした。ご覧になられた皆さま、素敵な公演でしたね! 氷上で輝く浅田さんに遠からずまた会えることを期待しています。 ★次回、撮りおろし写真満載の第2弾を予定しています。どうぞお楽しみに!! 小松庸子/Yoko Komatsu
フリー編集者・ライター
世界文化社在籍時は「家庭画報」副編集長としてフィギュアスケート特集を担当。 フリー転身後も「家庭画報」誌面にてライフワークとして大会やアイスショーなどを取材。
取材・文/小松庸子 撮影/坂本正行(世界文化社写真部)