藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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伝説のバーへ、お客さまから移転1周年のお祝い
広島に有名なロックバーがあるのですが、マスターが亡くなられて3回忌。お店が別の場所に移ってちょうど1年を迎える日に、なじみ客の方から、マスターのあとを継いでお店を切り盛りする奥さまに、ブーケのプレゼントです。
3回忌と移転1周年のお祝い。これは花色選びに悩むところですが、お店に飾ることを考えて、地味になりすぎないようにしなくては。季節感たっぷりのナチュラルなブーケなら故人を偲ぶ花としてもふさわしく、お店のお客さまにも楽しんでいだたけるのではないかと考えました。
ガレギフォリアの美しい白花とアジサイの白花、ルリタマアザミの青紫。花色はその2色にして、さまざまなグリーンを加えました。花のボリュームは少なめにし、グリーンを多くすることで、さわやかな雰囲気に仕上がったと思います。
この時期は、花だけでなくグリーン花材も豊富に出回ります。葉形の異なるグリーンを集めて束ねると、野原で摘んだような自然な雰囲気のブーケになります。
【使用花材】ガレギフォリア
ルリタマアザミ ベッチーズブルー
アジサイ
シルバーキャット
ダスティーミラー
豆軍配ナズナ
グリーンスケール
贈り花のヒント3回忌は1周忌の翌年。忌明け後2年目を迎えるので、飾る花も弔う花から偲ぶ花へと意味合いが変わってきます。故人が好きだった花や色を選んだり、ご家族を励ますような花であってもかまいません。故人を忘れずにいますよ、という気持ちが伝わるような贈り花は、ご家族にとってうれしいプレゼントだと思うので、そのような機会の贈り花もぜひ考えてみてください。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』 2021年4月12日発売!
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載しています。オールカラーの大判の単行本で楽しむ、藤野さんのナチュラルでエレガントな花の世界は、眺めるだけで幸せな気持ちに。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。