博多織の未来を明るく照らす 博多織発祥の地「承天寺」
歴史的な文化財などが多く残る、寺社街エリアへの入口ともいえる「博多千年門(はかたせんねんのもん)」。
地元住民や企業、行政が一体となって建設に取り組み、平成26年3月に完成しました。大きな門を見上げると、欄間に献上柄を発見! 門扉の板材には、太宰府天満宮から寄贈された樹齢千年の「千年樟(せんねんぐす)」が使われています。この「博多千年門」をくぐって、落ち着いた美しい遊歩道(その名も「承天寺通り」!)を進むと、ほどなくして目的地の「承天寺(じょうてんじ)」に到着。
境内に入ってすぐ目に飛び込んできたのが、左手にある大きな3つの石碑でした。向かって一番右にあったのは「満田彌三右衛門の碑」で、これまでの記事を読んでくださった方ならすぐにピンと来たはず!そう、博多織の始祖・満田弥三右衛門の功績を讃えて建立された石碑です。博多織の魅力を伝えたい!と意気込む私たちが「ぜひ見ておかねば!」と思っていたものでもありました。
そして、その石碑と並ぶのは、「御饅頭所の碑」「蕎麦饂飩発祥の碑」のふたつ。どちらも聖一国師が宋より日本に持ち帰ったとされ、その偉業を後世に伝えるために建立されたものだそう。
美しく整えられた境内をさらに進むと大きな本堂が。一般公開はされていませんが、今回は特別に本堂の中まで見せていただくことができました。
本堂内は、静謐で厳かな雰囲気に包まれています。
承天寺のシンボルともいえるのが、石庭「洗濤庭(せんとうてい)」です。この「洗濤庭」は、聖一国師が命を懸けて渡った玄界灘をモチーフにしており、波型に整えられた白砂は玄界灘を、白砂より手前側を日本、向こう側を中国大陸として表しているそうです。
通常は一般公開されていませんが、境内から遠見することは可能です。また、毎年秋に行われる「博多旧市街ライトアップウォーク」では本堂から拝見することができます。「洗濤庭」の美しさに、時間も言葉も忘れてしまいました。そして、今回は神保至雲(じんぼしうん)住職にお話を伺うことができました。