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健康

専門医に聞く。40歳頃から増える女性泌尿器疾患の症状と治療法〔前編〕

2019.05.24

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腹圧性尿失禁の症状が軽い場合は、尿道の周りにある括約筋や骨盤底筋を強くする体操が効果的です。これだけで尿漏れがほぼ改善したというデータもあります。

骨盤底筋体操のポイントについて高澤先生は「息を吐きながら、膣と肛門を体の中に引き上げるような感じで締め、そのまま5秒キープした後、ゆっくり緩めます。骨盤底筋を締める感覚がわからない人は椅子の上に細長く丸めたフェイスタオルを置いてまたがるように座り、膣と肛門でフェイスタオルをつかむようなイメージで行うとよいでしょう」とアドバイスします。

さらに、日常的な対策として太っている人は減量が有効なこともあります。


「便秘の改善や下半身を締めつけるボディスーツ、ガードルの使用を避けることも非常に重要です」と高澤先生はいいます。

薬物療法を含め、これらの保存的治療では尿失禁が十分に改善しないときは手術の適応となります。

「ポリプロピレンメッシュ(以下メッシュ)のテープを尿道の下に通して尿道を支えるTVT手術やTOT手術は長期成績がよく体への負担も少ないので、当院でも積極的に取り組んでいます」。後編へ続く>>

Information

順天堂東京江東高齢者医療センター

東京都江東区新砂3-3-20

  • 順天堂東京江東高齢者医療センター 泌尿器科 女性泌尿器外来 〔主なスタッフ〕医師1名、看護師5名 〔主な連携先の診療科〕婦人科、薬剤部、看護部 同病院への受診を希望する場合は紹介状が必要。紹介状がない場合は、初診時保険外併用療養費として2700円の自己負担金がかかる。また、電話による事前予約も必要。受診の詳細については病院のHP「来院・入院/初めて受診される方」をご参照ください。 ※高澤直子先生は毎週火曜の午後、順天堂大学医学部附属順天堂医院(東京都文京区)でも女性泌尿器外来を担当。詳細は同医院のHP「泌尿器科/女性泌尿器外来」をご参照ください。 http://juntendo-urology.jp/treatment/woman/ 〔費用〕保険診療(患者負担1~3割)
      【参考情報】 ●女性泌尿器疾患の治療を受けたいとき この疾患の診療を受け持つのは「泌尿器科」と「婦人科」で、女性骨盤底医学は2つの診療科をミックスした造語である「ウロギネコロジー」とも称される。この分野の学会には日本女性骨盤底医学会、日本骨盤臓器脱手術学会がある。これらの学会に所属している医師は女性泌尿器疾患を専門にしていると考えられる。 日本女性骨盤底医学会 http://www.jfpfm.jp/ 日本骨盤臓器脱手術学会 http://jpops.jp/
取材・文/渡辺千鶴 撮影/八田政玄

「家庭画報」2019年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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