映画での共演は本作が初。西島秀俊さんは航空自衛隊の元エースパイロット、佐々木蔵之介さんは生え抜きの海上自衛隊員を演じる。近未来の日本を舞台に、国籍不明の船団による発砲と初島の一部占領に対する、航空機搭載型護衛艦・いぶきを中心にした艦隊の乗員たちを描く映画『空母いぶき』。平和のためには武力行使も辞さないいぶき艦長・秋津竜太役の西島秀俊さんと、あくまでも防衛に徹するいぶき副長・新波歳也役の佐々木蔵之介さんに、本作についてお話を伺いました。
――まずはそれぞれの役柄と役作りについて教えてください。西島秀俊さん(以下、敬称略):元エースパイロットということで、空自(航空自衛隊)を象徴するような人物なのかなと。空自の方に、優秀なパイロットの条件を聞くと、ベストな判断を時間をかけて下すよりも、瞬時にベターな判断をすることだそうです。確かに音速で飛んでるときに判断しなきゃいけないですから。あと、素直。どんな状況でも素直にまっすぐ物を見ること。ただ、秋津は、すごく特殊な人間(笑)。彼は未来まで見通して行動しているので、どこか超人っぽいというか、普通の人ではないという役作りとパイロットのまっすぐさ、素直さみたいなところが出ればいいなと思っていました。
佐々木蔵之介さん(以下、敬称略):僕は秋津と新波が、はっきり対照的に見えたほうがいいかなと思って。でも、決して対立はしないでおこうと思ったんですね。意見の対立はあるんですけど、平和を守るということに対しては、お互いわかり合えていると思っているし、信頼しているので。でも、対照的に見えるようには演じようと思っていました。あとは、空自と海自(海上自衛隊)の差みたいなもの。海自は、艦を出て家に帰るのが外出なんですよね。ここ(艦)が家、家族なんだっていう考え方。そういう温かみみたいなものは、命に対しても通じるところがあって。国、人種、隔たりなく命を大切にするっていう役にしようかなと思いました。