映画業界の女性らによる「CERCLE FEMININ DU CINEMA FRANÇAIS(フランス映画の女性サークル)」の設立者でもあるマリー監督。世界各国の映画祭で絶賛された映画『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』のマリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督による新作『パリの家族たち』。大統領、舞台女優、ジャーナリスト、医師、大学教授……。パリを舞台に、働く女性たちとその家族の幸せと自分探しの物語を描く本作について、来日中のマリー監督に伺いました。
——本作制作のきっかけを教えてください。「私の頭の中に長い間あったことなんですけれども、母親であること、あるいは自分が誰かの子供であることというのは、私たちの人生において大きなスペースを取ります。よりよい母、よりよい子供であろうとすることは、非常に手間がかかって。特に子供であること。人間は、大人になっても誰かの子供であって、いくつになっても自分の子供時代の話……特に母親との関係において、すごく痛い経験をしていると、今でもそれが鮮明に蘇ってきて、話をするときに涙を浮かべるんですよね。そういう友人たちを見て、その関係性というものを描いてみたいと思うようになりました」
——いつも映画を作るときは長い間エネルギーをためて、一気に放出するという感じですか?「そうかな。ある時点になって“OK、この映画を作りたいから作ろう!”みたいな感じになるんですね。だいたいの場合、誰も私を止めないので、そのまま作ります(笑)」